ITアウトソーシングのメリット・デメリット、事例や注意点を解説

ITコストの削減や人手不足の解消、業務効率化のためにさまざまな業界でITアウトソーシングを活用している企業が増えてきました。

ITアウトソーシングをうまく活用することで、事務作業を自動化させて業務負担を20%以上軽減させたり、自社対応より半分以下のコストでITシステムを運用できる場合があります。

ITアウトソーシングは、業界を問わずIT技術や人手が足りていないと感じている企業に有効的なサービスです。

 

しかし、実際には費用や手間などのデメリットで悩まれる方が多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事ではITアウトソーシングの導入メリットやデメリット、成功事例などを詳しくご紹介していきます。

アウトソースする業務内容や委託先を見誤ってしまうと、かえってコストが膨らんでしまう場合もありますので、注意すべきポイントも徹底解説いたします。

ITアウトソーシングとは?

複数のITアイコンと考えるポーズをするスーツの男性

ITアウトソーシングとは、IT関連の業務を外部に委託することを言います。

ITアウトソーシングの主な活用例としては、単純作業を委託する場合と、自社では対応できない専門的な業務を委託する場合があります。

単純作業の代表的な業務内容としては、パソコンのキッティングやプリンターなどのトラブル対応、顧客からのお問い合わせ代行などが挙げられます。

さらに、専門的な分野としては、社内ネットワークの構築やマクロによる事務処理の自動化などを請け負ってもらえる場合があります。

 

特に近年では、顧客情報や社内資料をインターネット上にあるクラウドで管理することで、ハードウェアのコスト削減や運用の手間を減らしたいと考えている企業が増えてきています。

委託先によっては、このようなクラウドサービスへの移行もサポートしてくれます。

IT技術の発展によって、利便性の高いシステムやツールがどんどん増えてきていますが、その一方で管理する人手が不足していたり、技術が追いつかず対応しきれないケースが増えてきています。

また、多くの業種がITを専門としておらず、IT担当者を自社で雇用する余裕がないこともあるでしょう。

そこで、自社のIT業務を専門知識のある業者にアウトソーシングすることで、IT担当者を雇用したり教育したりすることなく、高品質な作業が期待できます。

ITアウトソーシングのメリット

黒板に書かれたグッドポーズのイラスト

ITアウトソーシングのメリットは、ITコストの削減や生産性の向上、安定運用などが挙げられます。

IT業務の種類は、事務的な作業から問い合わせに対応するヘルプデスクなど多岐に渡り、社内のリソースだけで運用するのは限界があります。

特に中小企業においては、大手と違って社内のリソースが限られているため、複雑化するIT業務をどう効率化していくかは企業全体の生産性にも関わる課題と言えます。

また、自社でIT担当者を雇用して教育しても、急な退職によって思うようにノウハウが蓄積されていかないことも考えられます。

 

このようなケースでは、ITアウトソーシングを利用することで大幅な業務の効率化が期待できます。

ここからは、ITアウトソーシングのメリットについて、どれくらいコストが削減できたり、生産性の向上が期待できるのかを詳しくご紹介します。

ITコスト削減

ITアウトソーシングを導入することで、自社の社員の人件費より安く対応してもらえることがあります。

例えば、パソコンのキッティングやIT機器のトラブル対応などは、必ずしも自社の社員が行わなければいけない業務ではありません。

特に顧客対応などの社外ヘルプデスクは、クレームの問い合わせが増えることによって社員が疲弊してしまい、離職につながる可能性が高まります。

その結果、人件費だけではなく求人費・教育費なども発生してしまいますので、総コストで見ると決して無視できるものではありません。

 

しかし、これらの定型的な業務はITアウトソーシングを利用することで、安く請け負ってもらえることがあります。

また、事務処理の単純作業をマクロで自動化してもらうなどの方法であれば、今後はその業務にかかるコストがゼロになります。

このように、委託する業務内容によっては、人件費やIT機器の管理費用を20~30%削減できる場合があります。

コア業務への集中

本来、自社の社員が対応するはずだったIT業務をアウトソーシングすることで、多くの人材を得意分野であるコア業務に割り振ることができます。

ITを専門としていないのに、IT機器の調整やシステム管理の業務があるからという理由だけでIT担当者を雇うのは非効率です。

 

また、社内のリソースが限られている中小企業においては、コア業務の生産性を向上させることは、結果的に組織全体の売上向上や成長につながります。

そのため、自社で対応する必要がない業務は、アウトソーシングした方が少ない人数で生産性を確保できるようになります。

柔軟性のある組織体制の構築

ITアウトソーシングは、急な事業の縮小や拡大にもすぐに対応できるメリットがあります。

自社で人材を確保して特定の業務を任せる場合だと「固定費」として動かすことができなくなりますので、その業務の需要がなくなった場合に対応が難しくなります。

 

しかし、アウトソースすることでその分の人件費や設備が必要なくなり、「変動費」として最小限に抑えることができるため、業務内容や業務量が変化しても臨機応変に対応できます。

テレワークなどの働き方改革を実施する場合においても、アウトソーサーに任せる業務と自社で対応する業務を選別できますので、常に合理的な選択が可能になります。

リスク低減

専門性の高い業務は自社で行うよりも、アウトソーシングした方がリスクを低減できます。

セキュリティ対策やインフラ整備、VPNの構築などは専門的な知識が必要不可欠であり、問題が発生してしまうと生産性に大きく影響します。

 

そのため、専門家にシステム構成を確認してもらった方が安心できます。

トラブルが発生した場合においても、自社で対応した場合だとトラブル対応に追われてしまいますが、専門家であるアウトソーサーに任せることで、迅速に問題を解決してくれます。

ITアウトソーシングのデメリットや問題点

困った猫の顔に汗のイラストが描かれた写真

ITアウトソーシングによって、かえってコストが膨大になってしまったり、作業品質が低下したりするケースがあります。

しかし、これらのデメリットは事前に把握しておくことで対処可能です。

ITアウトソーシングを導入しても全ての問題を解決できるわけではありませんので、委託先や委託する業務内容を見誤ってしまうと、思うような成果が得られなくなります。

ここからは、ITアウトソーシングでよくある失敗例をご紹介しながら、デメリットを発生させないようにするための対処法について解説します。

 

コストが膨大になる

コストが膨大になる主な例としては、委託する業務内容に問題がある場合と業務範囲が明確になっていないことが挙げられます。

ITアウトソーシングは、一定のマニュアル通りに進められる業務であれば適していますが、反対に独自の社内ルールによって条件分岐が多い業務の場合だと、生産性が低下します。

その結果、自社で対応するよりコストが高くなってしまうことがありますので、マニュアル化できない業務をアウトソーシングするのはおすすめできません。

 

また、契約前に業務範囲を明確にしておかないと、予想外の別料金が発生してしまうことがあります。

そのため、業務範囲は口頭だけで伝えるのではなく、業務フローやチェックリストを用意して、求める品質においても現物を提示するなど、わかりやすく伝えるようにしましょう。

セキュリティ上の問題が発生する

社内の情報を外部に開示することになりますので、情報漏えいのリスクが高まります。

実際に情報漏えいの事故は多くの企業で発生しており、ほとんどのケースが情報漏えい対策を怠っていたことが原因と言えます。

そのため、必ず委託する業務に必要データのみを渡すようにして、アクセス権限の設定や情報の管理体制についてしっかり確認しておきましょう。

 

そして、秘密保持契約(NDA)の内容に、情報の取り扱い体制をしっかり明記しておくことも大切です。

認識の相違があると、問題が発生したときに責任の押し付け合いが発生することも考えられますので、双方で協議したうえで契約書を取り交わすようにしましょう。

また、多くの個人情報を開示する必要があり、情報漏えいリスクを徹底させたい場合は、「個人情報漏えい保険」に加入するのも有効的な対策です。

 

アウトソーシング先選びの失敗

アウトソーシング先によってそれぞれ得意分野が異なりますので、「大手だから」などの理由だけで委託すると、思うような成果が得られないことがあります。

例えば、同じシステム会社でも、サーバーを構築するためのプログラミングと、事務処理を自動化させるためのプログラミングは異なります。

あまり深く考えずに「ITアウトソーシングの会社」という括りだけで委託先を選んでしまうと、かえって時間や労力がかかってしまいます。

 

そのため、ITアウトソーシングを成功させるためには、必ず委託先の得意分野を確認しておくようにしましょう。

過去の実績や成功事例についても把握できると「思っていたのと違った」というリスクを回避できます。

 

ITアウトソーシングの成功事例

5色の色鉛筆と電球のイラスト

ITアウトソーシングを導入しようと思っても、実際にどんな業務をどのぐらいの費用で対応してもらえるかイメージできないこともあるかと思います。

そこで、ここからは弊社にお問い合わせのあったITアウトソーシングの成功事例をご紹介します。

月額5万円(税抜)からご依頼いただける格安のプランから、システムエンジニアが直接訪問してシステム構成のチェックや改善を行う専門的なプランもありますので、ぜひご参考ください。

下記にないサービスにつきましても、ご相談いただければオリジナルのプランをご提案できます。

 

小売店でのIT機器トラブルを24時間体制で対応

ITアウトソーシングの導入費用:月額15万円(税抜)

コンビニでパソコンやプリンター、在庫管理・発注システムなどでトラブルが発生したときに、店舗責任者が休日の場合であっても、電話対応や出勤をしている状況でした。

また、トラブルが発生してもできるだけ現場で解決できるように、最低1人は経験が長い人をシフトに入れるようにしていたそうですが、連勤が続いて疲弊しているとのことでした。

 

そこで、IT機器やシステムのトラブルが発生したときに、弊社のカスタマーサポートが24時間体制で対応する方法をご提案いたしました。

その結果、店舗責任者が休日にトラブル対応することがなくなり、シフトも柔軟に組めるようになって、無事課題を解決できました。

 

事務作業を自動化させる脱エクセル化

ITアウトソーシングの導入費用:月額20万円(税抜)

事務作業を効率化させるために、どんなソフトやツールを導入すべきか悩まれていました。

現在は会計ソフトや勤怠管理システムを使ってはいるものの、それぞれが連携できておらず、給与計算は毎月担当者がエクセルで管理している状況とのことでした。

 

そこで、弊社では無料で導入できるGoogleスプレッドシートを使って会計ソフトと勤怠管理システムを連携させるプログラムを組み、経理業務を自動化させるご提案をしました。

RPAなどのツールで自動化させる場合、導入費用は安くても年間100万円以上必要であり、なおかつRPAを組める技術者の手配と人件費が必要になります。

ですが、ITアウトソーシングを利用することで、大掛かりなシステムを導入することなく、システムエンジニアが専用のプログラムを組むことで解決できます。

さらに、その他のIT業務の効率化やパソコンのキッティング、既存システムのメンテナンスも行うことで、大幅な生産性の向上と安定運用を実感いただけました。

 

テレワークのための受電対策やデータのクラウド移行

ITアウトソーシングの導入費用:月額20万円(税抜)
テレワークを導入したものの、お客様からの受電に出るために社内に残った数人で対応しており、ほとんどの電話を担当者が折り返している状況とのことでした。

また、エクセルでデータを編集するときに、リアルタイムで把握できないため、誰がどのセルを編集しているのかがわからず、作業が被ってしまうことがあったそうです。

 

そこで、受電対策としてアプリを入れるだけで会社の番号から電話したり、会社にかかってきた電話を出たりできるナイセンクラウドの契約と、エクセル同様に扱えるオフィス365の導入をご提案しました。

ナイセンクラウドとの連携に必要なアプリの設定や操作方法のマニュアル作成は全て弊社が引き受け、すぐに受電対策を実施できるように対応いたしました。

そして、オフィス365の導入によってデータがリアルタイムで反映されるようになり、作業が被ってしまうことがなくなりました。

また、WEB会議のときも議事録を作りながら会議が進行できるようになったおかげで、アジェンダの共有がしやすくなり、議事録を後でまとめ直す手間も省けるようになりました。

 

ITアウトソーシングを利用する際の注意点

イラストで描かれた複数の選択肢に迷う女性

ITアウトソーシングをうまく活用することで、生産性の向上やコスト削減を期待できますが、必ずしも良いことばかりではなく、デメリットも存在します。

失敗例として多いのは、事前の調査不足によって思うように作業効率が上がらなかったり、かえってコストが膨らんでしまうケースです。

そのため、ITアウトソーシングを成功させるためには、しっかりと依頼する範囲や発生しやすい問題を把握しておくことが重要になります。

ITアウトソーシングを依頼する場合の形態や注意すべきポイントを詳しくご紹介いたします

ので、効率よく少ないコストで最大限の効果を目指しましょう。

 

ITアウトソーシングの形態ごとの違いを理解する

ITアウトソーシングの形態は、業務内容や規模に応じて、主に5つに分けられます。

それぞれどの業務をどこまで任せるかが異なりますので、まずは自社に適した形態を選択しましょう。

 

フルアウトソーシング

フルアウトソーシングは、特定の業務内容全てをアウトソーシングすることを指します。

依頼する側は要望だけをまとめて、あとは企画やシステムの構築、運用から改善までをアウトソース先が行います。

業務範囲としては、給与計算や決算業務など一部の業務をアウトソースするのではなく、経理全般を任せるような例になります。

依頼する側は全てを任せっきりにできるので手間がかからない反面、業務の知識や経験が社内に蓄積されず、ブラックボックス化してしまうことがあります。

そのため、フルアウトソーシングする場合は、自社の責任者を窓口として設けて、アウトソース先の作業品質が問題ないかを定期的にチェックできるようにしましょう。

 

運用アウトソーシング

サーバーやOS、データベースシステムなどが正常に作動するように、監視・メンテナンスをアウトソースする形態です。

主に営業支援システムや顧客管理システムの運用改善などが該当します。

多額の費用をかけて自社専用のシステムを導入したものの、メンテナンスするノウハウがなく改善できないままになっている場合は、アウトソースすることで解決できます。

既存システムをカスタマイズしたり、特定のアプリやツールとデータベースを連携させたりするなどのサービスも提供してもらえます。

 

ヘルプデスク

ヘルプデスクには、社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの2種類があります。

社内ヘルプデスクは、自社の社員からのパソコンやシステム、ネットワークに関するトラブルの問い合わせに対応することを指します。

そして、社外ヘルプデスクは顧客からの製品などに関する問い合わせに対応することを指し、クレーム対応も含まれます。

また、コールセンターのアウトソーシングもこの形態に該当しており、社内外からの問い合わせを外部の技術者に任せることで、組織全体の生産性向上や離職防止が期待できます。

ヘルプデスクのアウトソーシング形態は、規模に応じて営業時間外の顧客対応を任せたり、専用窓口を開設して自社用のコールセンターを設置するなど、幅広いサービスがあります。

 

ホスティング

サーバーやストレージなどの準備から運用保守までをアウトソースする形態です。

自社でサーバー設置や運用を行った場合、障害が発生したときに早急に復旧させる必要があり、メンテナンスの手間もかかります。

しかし、外部のサーバーを利用することによって、管理コストや手間を削減しつつ、安定した運用が実現可能になります。

また、仮に大規模な自然災害が発生した場合も、常時バックアップが取られていたり、即座に復旧可能な体制を整えているため、IT資産壊滅の対策にもなります。

 

ハウジング

自社でサーバーや通信機器を用意し、ハウジングを提供している会社から設置する場所や電源、回線などを借りる形態です。

耐震設計などの災害に強い施設を自社で用意する必要がなく、設置した機器のメンテナンスやトラブルの対応もアウトソース先に任せられることがあります。

さらに、東京都内の場合であれば、自社で設置する場所を確保するよりも、郊外のエリアに設置した方が坪単価が安いため、コスト面でもメリットがあります。

 

アウトソーシング先の技術レベルを確認する

アウトソース先の技術レベルや得意分野を把握しておかないと、契約後に求めている品質に達していないというトラブルが発生する場合があります。

このようなリスクを回避するために、過去の実績を確認したり、作業品質を数値化してどこまで対応できるか確認したりしておくことが大切です。

有効的な方法としては、SLA(サービスレベルアグリーメント)の契約を交わす方法があります。

SLAとは、「サービスの品質保証」を意味する言葉で、主に業務内容・範囲・品質・水準を客観的に判断できるように数値化させて、下回った場合のペナルティを定めておくケースが多いです。

ITアウトソーシングを利用する側にとっては、サービスの品質が確立でき、アウトソース先にとっても高水準の品質を提供できるアピールになります。

 

トラブル時やイレギュラー対応の内容を確認する

アウトソースがうまくいった場合の想定だけではなく、トラブルが発生したり、思うような成果が出せなかった場合の対応についても確認しておきましょう。

特に注意すべき点は、作業内容によって別途料金が発生することがありますので、運用方法を改善していくうちに、コストが膨らんでしまう場合があります。

その結果、求めていた品質が得られないままコストを浪費してしまう可能性がありますので、どこまでが無償でどこまでが有償となるのか、関連業務の内訳を確認しておきましょう。

また、成功事例だけを聞くのではなく、うまくいかなかったケースや、どんなトラブルが発生した場合どう対処してもらえるのかなども詳しく聞いておけると安心できます。

 

ITアウトソーシングを活用して生産性を向上させましょう

ITアウトソーシングの活用方法はさまざまあり、システムの運用やヘルプデスクの業務をアウトソーシングしたり、社内SEとして自社で作業してもらったりすることもできます。

特に中小企業においては、人材のリソースが限られているため、生産性を向上させるためにITアウトソーシングを利用するのは効率的な手段と言えます。

即戦力となる技術力の高いSEにIT業務を任せられますので、作業負担を軽減しつつ高い品質を期待できます。

 

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