昔々、ある町に3人のレンガ職人が住んでいました。彼らは、ある日大聖堂を築く仕事を受けました。最初の職人は、ただできるだけ早くレンガを積み上げることに専念し、2人目の職人は、美しさや強度にこだわり、レンガを丁寧に積み上げました。
しかし、最後の職人は、ただ美しく堂々とそびえ立つ建物を作ることだけではなく、人々の心を癒す建物を作ることを考えていました。そこで、彼は建物の基礎部分を丁寧に設計し、耐震性を高めるための補強を施しました。
同じように、IT環境においても、問題解決には根本的な対策が必要です。ヘルプデスクのアウトソースは、一時的な解決策に過ぎず、問題が再発する可能性が高いです。しかし、最後の職人が行ったように、問題の原因を正確に特定し、基礎部分から丁寧に改善策を考えることで、根本的な問題解決につながります。そうすることで、人々の心を癒すような素晴らしいシステムを構築することができます。
ヘルプデスクのアウトソースについて
ヘルプデスクのアウトソースの定義と利点
ヘルプデスクのアウトソースとは、企業がITサポート業務を外部の専門会社に委託することを指します。この手法は、IT業務に必要なスキルや専門知識を持った人材を確保し、コスト削減につながるという利点があります。
ヘルプデスクのアウトソースは、サポート業務に特化した専門企業が行うため、問題解決に必要なスキルやノウハウが高く、対応力が高いというメリットがあります。また、アウトソースにより、企業側は専門的なサポートを受けることができ、社内の人員をサポート業務から解放することができます。
さらに、アウトソースによって、コスト削減が期待できます。自社でヘルプデスクを運営するには、人材確保や研修に多大なコストがかかるため、外部の専門会社に委託することで、人件費や設備費の削減が可能です。
以上のように、ヘルプデスクのアウトソースは、コスト削減や専門性の確保というメリットがありますが、企業側が抱える課題や問題点についても検討する必要があります。
ヘルプデスクのアウトソースの欠点
ヘルプデスクのアウトソースには、様々なメリットが存在することが分かりました。しかしながら、ヘルプデスクのアウトソースを行う、すなわち『運用のアウトソース』だけでは根本的な解決策にはつながらない場合があります。なぜなら、トラブルは利用者の操作だげに原因があるわけではないからです。
そのため、単に運用改善だけではなく、システムの設計や構築の見直しが必要になる場合があります。例えば、システムの安定性や信頼性を高めるために、性能監視や品質管理、テストの強化が必要になる場合もあります。あるいは機器の耐用年数の管理、不具合であれば交換などが必要になります。
このように、ヘルプデスク業務に対する根本的な解決策は、単に運用の見直しだけでなく、システムの設計や構築の見直しも含む総合的な改善策が必要となります。これによって、トラブルの発生を未然に防止することができ、ユーザーの満足度や企業の業務効率の向上につながります。
根本的な対策の必要性
根本的な対策の意味と目的
「根本的な対策」は、ITシステムにおけるトラブル改善や問題解決に取り組む上で重要な考え方です。この対策には、単にトラブルを解消するだけでなく、システム全体を見直し、再構築することで、根本的な問題を解決することが目的となります。
根本的な対策を行うことで、同じ問題が再発することを未然に防ぎ、システム全体の安定性や信頼性を高めることができます。また、ユーザビリティや操作性の改善、効率的な業務プロセスの導入なども可能になります。こういった改善は、企業の業務効率向上やユーザーの満足度向上にもつながります。
ただし、根本的な対策を行うには、時間やコストがかかることがあります。システム全体を見直すためには、専門的な知識やスキルが必要な場合があります。そのため、企業や組織においては、根本的な対策を行うために、専門的な知見を持つITコンサルタントやエンジニアの支援を受けることが必要となります。
根本的な対策を行うメリット
根本的な対策を行うことには、いくつかのメリットがあります。
システム全体を見直すことで、同じ問題が再発することを未然に防ぐことができます。根本的な問題を解決することで、システム全体の安定性や信頼性が向上し、障害発生時の対応もより迅速かつ正確に行うことができます。これにより、業務停止が減り、業務処理時間を短縮できるので、納期を短縮できる、残業を減らせるなどのメリットがあります。
また、システム利用者のストレスも減るので、従業員満足度向上にも寄与します。
根本的な対策は、長期的な視点でシステムを運用することを考えた場合、コスト面でもメリットがあります。根本的な対策を行うことで、システム全体の安定性や信頼性が向上し、運用にかかるコストを低減することができます。
これらのメリットから、根本的な対策は、単にトラブルを解消するだけでなく、企業や組織にとって、業務効率向上や顧客満足度向上につながる重要な施策となります。
根本的な対策の実施方法
ITベンダーに根本的な対策を任せてしまうと、自社の現状について正確な情報を持っていないまま、不適切な解決策を提案されてしまう可能性があります。そのため、まずは現在の環境を正確に把握し、問題点を特定する必要があります。
そのためには、適切な測定や分析が欠かせません。例えば、利用者からの問い合わせ数やトラブルの発生頻度などを定期的に測定し、そのデータを分析してトラブルの原因を特定することができます。当社での実績としては、月間のヘルプデスクへの問い合わせ件数は従業員数の30%です。従業員数が100名であれば、月間の問い合わせ件数が30件程度であれば健全、それ以上だと潜在的な原因が潜んでいる可能性が高いです。
また、ITシステムのモニタリングやログ分析などを行い、トラブルの原因をさらに詳しく把握することも重要です。
これらの情報を基に、根本的な対策を立てることができます。しかし、このような測定や分析は、単に数値を取得するだけではなく、それらを正しく解釈し、適切な対策を考えるためには、専門的な知識や経験が必要となります。そのため、社内の『ITに詳しい人』が行うのではなく、専門のITコンサルタントに依頼することも検討する必要があるでしょう。
具体的な分析の例
『パソコンが重い』という症例にたいして分析の事例をご紹介します。
まずはパソコンのCPU(計算・処理する機器)をどのくらい使用しているか把握します。単にCPU使用率だけを見るのではなく、プロセス(使用しているアプリ)毎のCPU使用率を測定することで、どのアプリケーションに原因があるのかを特定することができます。
スナップショット的な計測だけではなく適切にモニタリングすることで、特定の時間帯だけ重くなる等の傾向を見つけられることもあります。そのためにはモニタリングツールを導入する必要があります。
また、業務外のネットワークトラフィックが膨大にあり、全社的に『パソコンが重い』となっていることもあります。これにはネットワークのトラフィックを適切に測定できるタイプのネットワーク機器が必要で、ここに家庭用と企業用との差があります。
まとめ
ここまでの内容から、ITコンサルティングの視点からトラブル改善について考えてきました。ヘルプデスクのアウトソースは、一時的には問題を解決することができる利点がありますが、根本的な解決にはなりません。そのため、運用だけでなく設計の見直しを行うことが必要です。このような根本的な対策を行うことにより、より長期的な視野で効果的なトラブル改善が可能となります。しかし、そのためにはITベンダーの営業に任せるのではなく、現状の環境を正確に把握し、適切な分析を行うことが必要です。こだまシステムのIT無双では、ヘルプデスクのアウトソースだけではなく、根本的な対策に向けたITコンサルティングも行っています。トラブルが多くて困っていらっしゃる企業様は是非一度ご相談ください。