企業のIT化が進む現代、職場にはパソコンがあり、プリンタがあるのが当たり前になりました。
それに伴って社員には最低限のパソコンスキルとIT知識が求められています。
ハードウェアや通信障害などでトラブルが発生した場合、ITの知識に疎いと原因究明に時間がかかります。
そんな時にIT系のトラブル全般に対処してくれる代行サービスがあるのをご存知でしょうか。
特にIT担当者が少ない場合、直接現地へ訪問してサポートしてくれるのはとても心強い味方になるかと思います。
今回はそんな駆けつけサービスで対応してくれる内容や依頼手順について詳しくご紹介します。
ITの駆けつけサービスとは
駆けつけサービスとは、トラブルがあった時にエンジニアが駆けつけて対処してくれるサービスです。
また、トラブルの対応だけでなく、IT環境の整備もサービス内容に含まれます。
顧客の元に駆けつけてサポートを行うことから、別名「フィールドサポート」とも呼ばれています。
言い換えればIT全般におけるプロフェッショナルが出張サービスをしてくれるのです。
実は、駆けつけサポートができるITエンジニアの数はそう多くありません。
報告・連絡・相談ができて、人の相手ができ、なおかつITに関す技術も持ち合わせている駆けつけサポートは、まさにプロ中のプロと言えます。
そんな技術力と対応力の高いエンジニアが、トラブル解決にむけて駆けつけてくれるのです。
駆けつけサービスの主な対応内容
ITに関するトラブルはパソコン本体などのハードのみならず、通信環境やセキュリティに至るまでさまざまです。
また一口にトラブルといってもその原因は複数考えられ、特定することはかなり困難です。
IT駆けつけサポートではこれらのトラブルにも対応してくれます。
では、実際にはどのような対応をしてもらえるのでしょうか。
ここでは4つのパターンに分けて、それぞれご説明します。
IT機器のトラブル対応
IT機器とはパソコンをはじめとする、通信機能を持っている機器の総称です。
またルータや電話機、複合コピー機もその対象になります。
普段意識していないだけで、IT機器に含まれるものはたくさんあるのです。
また、IT機器のトラブル対応では、遠隔操作によって復旧できるものと、直接現地に赴かなければならないものの2種類があります。
どちらの対処になったとしても、ITエンジニアが対処するので自力で復旧を測るよりもはるかに労力はかかりません。
さらに、24時間265日体制で対応してくれるサービスも存在します。
万が一、夜遅くにIT機器が故障しても迅速に対応してもらえるのです。
ネットワークインフラの整備
ネットワークインフラの構築は、業務効率化や環境改善に役立ちます。
IT環境がどこまで整っているかは、企業によって整備されている度合いが異なります。
この業務効率化においてできることに「クラウド管理」があります。
従来のように社内データをパソコンやサーバのような物理的な記憶媒体に保存するのではなく、ネットワーク上に作られた空間であるクラウドで管理することです。
これにより、サーバなどにかかっていた費用を削減できるうえ、更新する必要がなくなり管理の手間を大幅に省くことができます。
また、クラウドの存在を知る人ならどこからでもアクセスが可能ですので、データを持ち歩くことによる情報流失のリスクを軽減できるのです。
ただし、ネットワークインフラの構築には、商業的目線だけでなくセキュリティ面での問題解決が必要不可欠です。
そのため、依頼しようとしているサポートがどのぐらい信頼がおける実績を持っているのかを知っておくべきです。
機器のセッティング
企業によっては複数のIT機器を同時にセッティングする必要が出てきます。
また、OSのアップデートやインターネット回線の新規セットアップなども1人では骨が折れる作業です。
これらの作業もIT駆けつけサービスが対応してくれますので、機器の一斉セットアップやバージョン更新に便利です。
指定した拠点へエンジニアが訪問し、作業してもらうこともできます。
そうすることで現場の負担を軽減できるメリットがあります。
キッティング作業済みのパソコンを各地に発送するサービスを提供していることもありますので、事業所や拠点が分散していても安心して依頼できます。
セキュリティ面の対策
セキュリティのトラブルや事前対策もIT駆けつけサポートで対応可能です。
専門家に依頼することで、近年巧妙化するコンピュータウイルスやサイバー攻撃に備えることができます。
また、セキュリティ面におけるトラブルが発生した場合は、その後再発させないように対処することが重要になりますが、原因の究明まで行ってくれることがほとんどです。
なぜトラブルが発生し、どれほどの期間どんな障害が起こり、どんな対策を行ったかまで細かに教えてくれるのです。
さらに延長線として、今後同様のトラブルが起きないために、必要なセキュリティ対策を提案してもらえることも多いです。
特定の攻撃に脆弱性を抱えたまま運用を続けるよりも、提案された対策を検討したほうがいいでしょう。
少なくとも、1度起きたトラブルに対しては一定以上の対策ができるようになります。
このように、駆けつけサポートは1回限りのサービスではなく、安定運用できる具体策も提示してくれます。
IT駆けつけサービスを利用するメリット
IT駆けつけサポートを利用することにはいくつかのメリットがあります。
当然、サービスを利用するにあたっていくらかの費用は発生しますが、それを補って余りあるものばかりです。
また、企業の規模を問わず、IT駆けつけサポートを契約しておくことで相談窓口としての役割を果たしてくれます。
ここではIT駆けつけサポートを利用することで得られる具体的なメリットを3つご紹介します。
従業員の負担を軽減できる
1つ目のメリットは、従業員の負担を軽減できることです。
軽微なトラブルならまだしも、深刻な状況の場合、トラブルを解決する従業員の負担が増大します。
このような状況の場合、IT駆けつけサービスを利用することで、従業員の負担を軽減することができます。
専門家によってトラブル対処が行われますので、解決までの時間が圧倒的に短くなる点や、対処の品質が高いという点がメリットとして挙げられます。
そもそも社内のIT担当者は、どんなトラブルでも完璧に解決できるわけではありません。
専門知識が必要な場合や、適切な対処ができない場合も有り得ます。
一方、アウトソーシングによって専門家に依頼すれば、そういった問題が解決できる可能性が高まります。
トラブル対処の正確性やスピードが高まれば、それだけ被害を最小限に抑えることができます。
また、委託側は浮いた従業員のマンパワーを別の領域に回せるようになります。
各拠点のトラブルにも対応してもらえる
IT駆けつけサポートを展開している企業によっては、全国対応していることがあります。
その場合、全国に営業所や事業所を持っている企業でも拠点を気にせずサポートを受けられます。
拠点ごとに業者を変えて違う駆けつけサポートを利用していた場合、本社で発生したトラブルが支店で同様に起こっても、事例を知らないまま対処することになります。
こうなってしまうと各営業所によって取るべき対応策が異なってしまうため、品質の均一化が難しくなってしまいます。
そのため、全国対応している駆けつけサービスは品質確保につながります。
また、過去に別の営業所で起きたトラブルをすべて把握していますので、別の営業所で同様のトラブルが起こりえないかを対策することも可能です。
さらに、契約においても手間がかかりません。
同一企業内で一括でサポート契約をする方が、資産管理という観点でも利点があるのです。
IT担当を雇用する必要がない
コストダウンのつもりでIT業務管理の人材を採用する組織もありますが、結果としてコストが高くなってしまうケースもあります。
IT人材は獲得競争が激化しており、ITエンジニアの求人は業界トップクラスの広告宣伝費がかけられているほどです。
そのため、採用にかける費用が膨れ上がり、せっかく採用したものの人件費や固定費が他の従業員よりかかってしまうケースも少なくありません。
IT駆けつけサポートも当然コストはかかりますが、IT担当者を自社で確保するための費用、雇用後の人件費などを加味した場合、サービスに支払う料金の方が安く済みます。
また、必要な時にだけ来てもらうことができるので、手持無沙汰になることもありません。
IT駆けつけサービスの導入の流れ
IT駆けつけサービスを利用することで非常に多くメリットが得られますので、ITエンジニアが常駐していない場合やIT担当者が少ない場合は、ぜひ前向きのご検討をおすすめします。
しかし、どうやって導入するのかご存知ない人も多いかと思いますので、ここでは導入までのフローの一例をご紹介いたします。
サービス提供範囲のヒアリング
サービス提供範囲のヒアリングは、課題の洗い出しを行うために最も重要な工程になります。
解決したい課題や導入の目的がずれてしまうと効果が出ない可能性がありますので、初めに詳しいサポート内容までしっかり確認しておきましょう。
ここで課題や目的、万が一のトラブル発生時の対応まで詳しく確認しておくことで、導入後の無用なトラブルを防ぐことができます。
見積もり金額の確定
ヒアリングによって課題が明確になれば、どのようなサポートを受けるかを決定し見積もりを出してもらいます。
外部委託のデメリットは、委託する内容を増やすとその分料金が高くなってしまうことです。
全ての業務を依頼するのではなく、自社で解決できるものはないかを選び出したうえで、見積もり金額を確定させるようにしましょう。
お申し込み
サポート内容の確定と見積もり金額が決まった後は、申し込みに移ります。
この段階で、委託側は自社の業務の見直しをする必要があります。
例えば、今までIT担当者が不在でコア業務と掛け持ちさせていた社員がいるのであれば、その社員にどこまでかかわってもらうのかを見直さなければなりません。
また、コア業務の内容も見直す必要があります。
駆けつけサポートを導入することで業務環境が変わりますので、空いたリソースを効率よくコア業務に回せるよう改善することで、大幅な生産性の向上が期待できます。
駆けつけサービス
いよいよ駆けつけサービスの運用開始です。
しかし、導入が完了し運用が始まったばかりで安心するのは時期尚早です。
これから本格的な運用をしていくうえで、新たに出てきた問題や要望を洗い出し、ITエンジニアとすり合わせをしていく必要があります。
このすり合わせの繰り返しが、安定運用に繋がっていきます。
安定運用へ
導入後の運用が安定してきたら次のステップへ移りましょう。
業務の外部委託が軌道に乗ったことで、新たなプロジェクトを開始することもできるようになります。
また、運用した効果は出ているか、目標は達成できているか、コスト面の問題はないかを改めて見直す4ことも大切です。
常にこれらを意識することで、より効率よく業務を遂行できるようになります。
まとめ
IT駆けつけサポートはほとんどの企業にとって非常にメリットが多いサービスです。
ITの専門家集団が在籍していない限り、利用して損はないでしょう。
こだまシステムでも、IT駆けつけサポートを提供しています。
長年、政府系金融機関で培ってきたノウハウと運用サポートでクライアントのIT保守に貢献します。
お悩みとご予算に合わせて選べるプランをご用意しておりますので、費用が気になる方も安心してお問い合わせください。