予備端末を用意したりデータのバックアップを取ったりしておき、システムを冗長化させることで予期せぬ障害が発生した場合でも、すぐに復旧させることができます。
事前に対策を行っておかないと、いざというときにシステムが停止してしまっては、業務に穴が空いてしまいます。
今回はシステムの冗長化について、メリットやデメリット、そして取り組み方についてご紹介していきたいと思います。
冗長化とは?
システムの冗長化とは、簡単に説明すると有事の際に対応できる全く同じ代わりを用意しておくことです。
ハードウェアやシステム構成などの予備を持ち、多重化することを指します。
事前にこうした準備をしておくことで、トラブルが発生した際にシステムが停止しても、直ぐに用意しておいた方に切り替えられる状態にしておくことを冗長化と言います。
業務で使っているシステムと全く同じものを常に最新の状態で用意しておくことは、システム冗長化をしているという状態になります。
意味合いとしては二重化と同じようなものになります。
自然災害や不慮の事故のほか、予想を遥かに上回る集客によるサーバーのパンクなどの備えにもなります。
トラブルのあったシステムの稼働を止めて1からなおすよりも、早く簡単に切り替えが可能な方法です。
冗長化を行う目的
システム冗長化を行う最大の目的は稼働中のシステムが何らかのトラブルが発生した際にいち早くシステムをもとの状態に戻すことです。
そのためにあらかじめ冗長化させておいたシステムに切り替えます。
提供しているサービスでITシステムを利用している企業であれば、トラブル発生によるシステムの稼働停止は致命的です。
こうしたトラブルで信頼を崩してしまっては、今後の運用に支障が出てしまう可能性も出てきます。
業務が停止することで損害が出て顧客まで離れてしまっては会社としては大きな損失です。
システム冗長化は可能な限り稼働を停止させないための大切な手段と言えます。
冗長化されていない場合のリスク
システム冗長化がされていないことによる最も大きなリスクは、提供しているサービスが利用できなくなってしまったり、業務が停止したりすることです。
人為的な事故は社内である程度防ぐことは可能ですが、落雷や地震といった天災については人間の力ではどうにもなりません。
こうした想定を超えるようなトラブルが発生した際、システム冗長化されていないことで稼働が止まってしまったり、システムの復旧に時間が掛かってしまって損失が生まれてしまったりというリスクが生まれます。
近年、規模の大きい地震や異常気象による災害も増えつつあるので、会社の機器やシステムを冗長化しておくことは非常に重要です。
システム冗長化がされていないと、何らかの障害があった際に復旧に時間が掛かってしまします。
復旧に時間をかけてしまうと業務が滞るだけではなく、顧客の信頼も失ってしまいかねません。
こうしたリスクに備えて冗長化しておくのが大切です。
バックアップを取ることとの違いとは?
この冗長化とバックアップとの大きな違いは、基本システムと予備システムが随時更新されて同一の状態になっているかどうかです。
冗長化という状態は、システムを複数用意して、常に同一の状態に保てるように更新され続けている必要があります。
そうすることでシステムが停止してしまっても直ぐに冗長化しておいたシステムに切り替えることができるようになります。
不慮の事故に備えての準備であればバックアップも同じではないかと思いますが、似て非なるものです。
バックアップは特定の周期で数回程度、専用の媒体にデータを保管する仕組みのことを指します。
障害が発生した際にあらかじめ用意しておいた全く同じシステムに切り替えるのが冗長化で、障害が発生した際失われたデータを取り戻すのがバックアップです。
冗長化のメリット・デメリット
システム冗長化を取り入れた際のメリットやデメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。
予備端末などを導入させるほどの規模でもないのに冗長化させてしまっては、余計なコストが掛かってしまうことになるのでおすすめはできません。
普段の業務内容が少しでも手が止まってしまうことで多大な損害が出てしまうようなものであれば、冗長化をしておかないと思わぬ損害が出てしまう可能性があります。
どのような状況においてシステムの冗長化が必要なのか、必要なコストと冗長化させない場合のリスクを考えたうえで検討するようにしましょう。
導入のコストと導入をしなかった際に発生した損害なども比べてみるのも、冗長化させるかどうかの有力な判断材料になります。
冗長化のメリット
システム冗長化の最大のメリットは、何らかの事情でシステム障害が発生してしまっても、直ぐに予備のシステムに切り替えることで停止時間を最小限に抑えることができるという点です。
例えば、アクセスの集中によってサーバーに大きな負担がかかってしまった際にも活躍します。
あらかじめサーバーにあるデータを冗長化させておくことで、Aが停止した場合はBに切り替える、という対策を取ることができます。
トラブルが発生してしまったものを復旧させるのと、事前に用意しておいた全く同じものとの切り替えであれば、後者の方が圧倒的に迅速に対応ができます。
お客様が使うようなサービスを管理・運用しているのであれば、サービスの停止も長時間のものではないので、大きく信頼を落とすということも防げます。
冗長化のデメリット
システム冗長化のデメリットはコストがかかってしまうことです。
全く同じシステムを複数台用意して維持・待機させるため、コストが掛かってしまいます。
デメリットについてはRAIDと呼ばれる1台のサーバー内で複数のハードディスクを一括で管理運用する技術や、冗長性を持たせるソフトなどが安価で入手しやすくなっているので、状況によってはコストをかけずに導入することも可能です。
備えていて大きなデメリットはあまりありませんが、あえて上げるとすれば管理・運用などのコスト面と言えます。
システム冗長化の実装方式
続いてはシステム冗長化の実装方式について簡単に説明します。
方法によっては便利でも手間やコストがかかる場合があるので、どういった方法が自社にとって最適なのか、どの方法が現実的なのか検討しましょう。
①アクティブ・スタンバイ構成
メインで稼働しているサーバーに障害などが発生した際、待機させていた同じサーバーに切り替えるという方法です。
待機させるサーバーが多ければ多いほど、維持・管理のコストがかかるのがデメリットです。
②マスター・スレーブ構成
複数のデータベースの操作や管理をするマスター機と、そのマスター機制御のもと動作するスレーブ機によってシステム冗長化をする構成です。
通常時はマスター機より参照、障害発生時はスレーブ機から参照となります。
スレーブ機は参照するのみの役割なので、書き込みといった更新はできません。
③マルチマスター構成
複数台の更新可能なデータベースサーバーで構成されたサーバーシステムのことをマルチマスターと言います。
マルチマスター構成はデータベースサーバーへの書き込みや読み込みも全てスレーブ機が対応しています。
予備のサーバーに障害があったとしても他のサーバーがアクティブ状態で待機していますので、万が一の際にも安心できます。
システム冗長化を実現するためのサービス・ソフトウェアとは?
システム冗長化を実現するための具体的な方法としては、会社であらかじめ待機させるための機器を用意して管理する方法と、他社に依頼する方法があります。
自社で対応しようとしても、予備のハードウェアの維持や管理の負担やコストが掛かりすぎるという問題があります。
情シス担当の負担も増えてしまい、他の業務がおろそかになってしまっては本末転倒です。
自社のシステムに冗長性を持たせるために、システムの運用や維持・管理についてはアウトソーシングに頼る方が現実的と言えます。
仮想サーバーの冗長化代行といったサービスを利用したり、会社独自のソフトで負荷を分散させたりといったことが可能になります。
システム冗長化の実現に向けてより正確に行うのなら、専門家にしっかりと相談したうえで、代行依頼をすることをおすすめします。
こうしたアウトソーシングは相談だけなら無料で行える会社が多いので、自社で導入すべきかどうか、費用はどれくらい必要なのかといったな内容を事前に確認してから検討するのもひとつの手段です。
冗長化にはコストがかかってしまうからといってそのままにせずに無料相談を活用することで、実際には導入が可能であることが発覚するかもしれません。
自社のシステム冗長化がまだ進んでいない状態で検討しているのであれば、無料コンサルティングや無料相談などを積極的に活用するはおすすめの方法です。
まとめ
もしもの時のためのシステム冗長化、メリットの方が大きくコスト面の問題がクリアできれば直ぐにでも導入させたいものです。
予算の相談やサーバーやデータベースの冗長化について代行を検討しているということでしたら、ぜひ弊社にご相談ください。
IT機器や情シス関連の業務は専門分野となりますので、よりご依頼者様の希望にあった方法を提案できます。
30分間の無料コンサルティングも実施していますので、お気軽にお問い合わせください。