現代社会では、企業から個人に至るまで、誰でも簡単にインターネットを使ってホームページを作れるようになりました。
ホームページ開設の目的は、自身の情報発信のほか、事業内容の公開、商品やサービスの紹介などさまざまです。
一方で、ホームページは開設したら終わりと認識されていることが多いことも事実です。
実際にはさまざまな観点からの保守が必要となっていますが、その必要性を実感する機会は少ないのではないでしょうか。
ホームページの保守はサーバーチェックやバージョン更新など、しなければいけないことが多いため、おざなりになっているケースもあります。
今回はホームページ保守の必要性と代行サービスについて詳しくお伝えします。
そもそも「ホームページの保守」とは?
ホームページの保守とは、内容の更新やセキュリティ対策はもちろんのこと、外部からのデータ改ざんの痕跡はないか、サイトのデータ容量の整理などが必要になります。
これらを怠ると、古い情報がそのままになってしまいアクセス数が下がってしまいます。
また、外部からの攻撃に弱いままになってしまい、最悪の場合はホームページそのものを放棄しなければならなくなってしまいます。
では、具体的にはどのような保守が必要なのでしょうか。
本章では、その必要性と保守を怠ることによって起こるトラブルについて紹介します。
なぜ保守が必要なのか
- ライセンス違反する可能性がある
- サーバとドメインが失効する可能性がある
- 不正アクセスによってデータが改ざんされる恐れがある
あくまでもホームページ保守におけるほんの一例に過ぎませんが、最悪の場合せっかく作成・公開したホームページがなくなってしまうかもしれないのです。
詳しく見ていきましょう。
ライセンス違反する可能性がある
ホームページを運営する上で細かいルールを決めているのがライセンスです。
ライセンスとは、実社会における著作権のことで、違反すれば罰則が設けられています。
これには大きく分けて4つあり、制限の厳しい順に並べると以下のようになります。
- コピーライト
- コピーレフト
- コピーセンター
- パブリックドメイン
例えば、企業が新しいコンテンツをウェブ上に作成した時、使用した画像が「商用利用不可 」であればその時点でライセンス違反となります。
一方で、パブリックドメインのような画像であれば違反にはなりません。
ライセンスは非常に複雑で、かつ140もの認定組織があり、その使用許諾範囲もさまざまです。
これをすべて把握するのは不可能ですが、最低限は把握しておくべきでしょう。
「 難しいから 」「 複雑だから 」と目をそらしてしまうと、知らぬ間に違反してしまう可能性があります。
サーバとドメインが失効する可能性がある
サーバやドメインには有効期限が存在し、この期限を過ぎてしまうとサイトの閲覧ができなくなってしまいます。
独自ドメインが失効した場合、失効後に同一ドメインを誰かに取得されてしまうと、再取得ができなくなります。
もっと恐ろしい事態に繋がる可能性があるのがサーバの失効です。
万が一サーバの代金が未納になると、ホームページはデータごと消えてしまいます。
バックアップがきちんとできていなければ、復旧不可能になることもあるのです。
こうなってしまえばホームページ保守どころの問題ではありません。
特に多い原因として、ホームページの保守担当者が変わってしまい更新時期や支払い方法を忘れてしまっていたことが多いです。
きちんと引き継ぎをするのはもちろんのこと、そのやり方や手続きの方法を事前に前任者からヒアリングできていれば防ぐことができます。
サーバの代金支払い方法については特に注意が必要です。
請求書払いなのに請求書が届かないという場合は、必ず一度支払先に問い合わせてください。
また、もし引き継いだ時点で請求書払いなのであれば、忘れてしまわないようにクレジットカード決済に切り替えてしまうのも1つの方法です。
不正アクセスによってデータが改ざんされる恐れがある
WindowsやMacなどのパソコン本体同様、OSは常にアップデートが定期的、もしくは緊急で実施されます。
特にホームページを運営するハードウエアの場合、特定の脆弱性が発見されてもそのまま放置していると、そこからサイバー攻撃などを受けてしまう可能性もあります。
また、FTPパスワードが初期設定のままだと、不正アクセスのリスクが高まってしまします。
これらの問題に対処するためには発行元から通知されるアップデートとFTPパスワードの定期的な変更を行う必要があります。
特にアップデートについては、新しいアップデートを知らせるボタンがポップアップされる場合がほとんどなので、手間なく更新することが可能です。
常にアップデート情報にアンテナを立てておくことで、ホームページ保守に繋がります。
ホームページ保守における対策例
ホームページを保守するために必要な3つの対策例をご紹介します。
これはホームページを開設・運営する上で欠かせない要素でもあり、これができなければ何かしらの不具合が起きる可能性も考えられます。
本章ではホームページ保守の具体的な対策例を8つご紹介します。
定期的なバックアップ
運営しているホームページにもし万が一のことがあった場合に備えて、ホームページのバックアップは必須です。
バックアップをとっていないと、何かしらの理由で公開できなくなった際に復旧するのが少々面倒なことになります。
何かしらの理由とは、ホームページを保管しているパソコンの故障や、操作ミスが代表的なものです。
もしこのホームページを制作会社に外注しており、かつ納品時のバックアップが残っていれば復旧自体はできます。
しかし、納品後に追加・編集したデータは消えてしまいますので、そこは手作業での復旧となってしまうのです。
また、制作会社から何もデータを渡されておらず、自身でもバックアップを取っていない場合、復旧は不可能です。
1から作り直すことになってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、定期的なバックアップが必要なのです。
バックアップの方法はとても簡単で、プラグインを導入して保存する方法があります。
いつからいつまでのホームページを保存するかの期限を入力しておけば自動でバックアップをとってくれます。
記憶媒体の故障や操作ミスによるトラブルが発生した際もバックアップを呼び出せばすぐに解決します。
アップデートの対応
運用しているホームページがWordPressで構築されている場合、コアファイルがアップデートの対象になります。
セキュリティ上、最新アップデートをすることが推奨されています。
またプラグインも同様にアップデートが必要です。
理由はコアファイルと同じくセキュリティ上の問題で、こちらは逐一確認が必要になります。
まれに表示が崩れてしまう、プラグインが正常に作動しなくなったという報告が挙げられますが原因はこのアップデートのことが多いです。
その他のツールで構築されているサイトでもアップデート後に表示がおかしくなることもあります。
基本的には簡単に対処できるので、ホームページ保守の観点で言えば常に最新の状態にしておくことをオススメします。
セキュリティ対策
ホームページ保守のメインとも言っていい部分がセキュリティ対策です。
ホームページを運営するためには、アプリケーション、サーバ、ネットワークが必須になります。
セキュリティ対策はこの3つすべてで実施する必要があります。
近年の巧妙化するサイバー攻撃によって被害を被っているホームページはいずれもセキュリティに問題があったということです。
これらの情報を公開しているサイトも存在はしますが、完璧な対策は事実上不可能ともいえます。
ファイヤーウォールでの受信規則の設定やパスワードの長文化など、できうる限りの手を打ちましょう。
データ改ざんのチェック
サイバー攻撃を仕掛ける側の人間をクラッカーと言います。
クラッカーは巧妙にホームページに侵入し、その内容を勝手に書き換えたり、あるはずのないリンクを貼ったりします。
これに利用者があやまってクリックしてしまうと、利用者の使用するハードウエアが脅威にさらされることになってしまうのです。
このような行為を未然に防ぐにはホームページのコードが狂っていないか、変更ログを確認することが重要です。
対応方法はさまざまありますが、ホームページ保守代行サービスの中には、チェックSAMを用いて改ざんがないかを確認する方法などがあります。
この方法を使うと、リアルタイムでサイトにおかしなところがないかを調べることができるのです。
サイトの監視
Webサイトは閲覧できなくなることがあります。
その原因はサーバのメモリ不足によるデータベースのエラーなどが代表的です。
OSには、メモリ残量が足りなくなるとデータベースを自動停止させるシステムが組み込まれています。
このシステムが作動することは、普通に使っているだけならまず起きることはありません。
しかし、外部からのアクセスによる攻撃を受けると、システムが作動してメモリ不足に陥りやすくなります。
結果としてサイトの閲覧ができなくなってしまうことがあるのです。
対処方法として簡単なのはメモリを増やすことですが、原因や頻度によって最適な方法が異なりますので、システムに詳しいコンサルタントに尋ねて解決策を導き出すのが最も合理的です。
レスポンスチェック
ホームページの表示が遅いと感じたことがあるならば、それはレスポンスチェックができていないからです。
原因は既に使わなくなったプラグインやファイルによるものです。
また、サーバ側の問題も考えられます。
すぐにできる方法としてプラグインやファイルの整理をすると改善されることもあります。
加えて、CSSやJavaScriptを削除することでレスポンスを上げることもできます。
なお、ウェブページの読み込み時間を計測できる「Page Speed Insights」というサイトがあります。
このサイトで定期的に計測し、70以上であれば問題はありませんが、60を下回れば改善が必要です。
「Page Speed Insights」のURL
https://developers.google.com/speed/pagespeed/insights/?hl=JA
検証環境の構築
各種アップデートや仕様変更を実験するためには、検証環境、つまりテスト用のページを作りましょう。
もし、本物のホームページで実行して復旧できなくなってしまえば取り返しのつかないことになってしまします。
また、導入しようとしているプラグインとの相性の問題もあります。
ホームページ保守にはアップデートもプラグインもすべて大切です。
これらが現在構築されているホームページと相性がいいかは使ってみなければわかりません。
そのため、実験的に使用するためにテスト用ページの作成が必要になります。
キャパシティー管理
ホームページ保守においては、キャパシティーの管理も重要です。
サーバのCPUの空き状況やハードディスクの使用率を月一回でも管理することで、スローダウンを未然に防ぐことができます。
簡単に説明しますと、作業机の引き出し(メモリ)や机の上(ホームページ)が散らかっていれば作業時間は遅くなります。
この机の整理をしてあげることで、作業効率を上げることができるのです。
ホームページの保守はアウトソーシングでも解決可能
ホームページ保守はアウトソーシングでも解決することができます。
アウトソーシングすることで、ホームページ保守に関わる負担が軽減できます。
ただし、アウトソーシングには費用が発生します。
定額制の場合と都度別料金がかかる場合があるのでよく比較検討するべきでしょう。
一般的には定額制の方が費用を安く抑えられます。
ホームページ保守をアウトソーシングするメリット
- 専門集団なので安心して任せられる
- 電話やメールでのサポートが受けられる
- テスト環境をこちらで整える必要がない
ホームページ保守をアウトソーシングするメリットは数多くありますが、ここでは特に大きなメリットの3つをご紹介します。
委託先を決定する基準として参考にしてください。
専門集団なので安心して任せられる
企業や個人がホームページ保守を1から勉強するよりも、専門集団に任せた方が迅速に対応できます。
日々変化するアップデートやプラグインに関して毎日勉強することは、管理者にとって相当な負担になります。
アウトソーシングにすることでこれらの負担を軽減できるので時間削減につながるのです。
ただし、委託先を決める場合は評価・評判をよく見極めてからにしましょう。
いかに専門集団とは言え、どこまで対応してくれるかは委託先によって異なりますので、比較検討が必要になります。
電話やメールでもサポートが受けられる
委託先によって電話のみ、メールのみのアウトソーシングもあります。
そのため、何か緊急の事案が発生した場合、相談先を設けておくことが重要です。
こうすることで、運営側が対応できることはこちらで、委託先で対応するものは委託先という住み分けができます。
万が一に備えたホットラインという扱いで良いでしょう。
ただし、内容によっては対応できないケースもありますので、どこまでのトラブルに対応できるか確認しておく必要があります。
テスト環境をこちらで整える必要がない
テスト環境の構築が面倒という声も多いでしょう。
多くのアウトソーシングではテスト環境を整えています。
そのため、こちらで環境を整えなくても保守に関わるテストを検証してくれます。
もし不具合があれば対応してくれるケースも多いので、アウトソーシングに任せることによって大幅に手間を省くことができます。
まとめ
ホームページ保守を万全に行うのはかなりの労力がかかります。
常にホームページと対峙できる環境が整っていないのであればなおさらです。
アウトソーシングにはいくつかの種類やサービスの違いがありますので、ホームページ保守をアウトソースする場合は、どの分野において強みを持っているのか確認しておくと良いでしょう。
そうすることで業務効率化やコスト削減につながり、万が一の時にも迅速に対応してくれます。
こだまシステムでは、ホームページ保守で必要とされている作業をまとめて対応することができます。
システムの専門家として、データ更新・セキュリティ対策はもちろん、障害発生時のサポートも行っています。
ホームページ保守でお困りの際には、ぜひ一度お問い合わせください。