エクセルは業務に必須とされ、IT企業などに関わらずどの職業でも使えることが前提となっていました。
しかし、近年では「脱エクセル」が推奨されているのをご存知でしょうか?
エクセルは便利なツールですが、使う場面によって不便なシーンが多々あります。
例えば、「リアルタイムで同時編集ができない」、「ファイルのバックアップを取るのが大変」などです。
そこで、「脱エクセル」を行い、業務の効率化を図る企業が増えてきています。
今回は「Googleスプレッドシート」や、各作業内容に特化したツールについてご紹介していきます。
脱エクセルとは?
「脱エクセル」とは、エクセルの弱点を克服する為にエクセル以外のツールを使うことをいいます。
リアルタイムで編集できない大変さや、ライセンス更新の管理などの問題を改善する為に実施している人が増えてきました。
例えばリアルタイム共有ですが、「ブックの共有」を行えば、1つのエクセルを同時に閲覧・編集することは可能です。
しかし、編集中のデータは反映されませんので、いつ、誰がどのセルを編集しているのかは確認できません。
このため、リアルタイムでの共有や編集ができず、タイムラグが発生してしまうのです。
また、ブックの共有機能は頻繁にトラブルが起きるのも問題点として挙げられています。
ブックの共有を行なうことで、ファイルの破損によって突然開けなくなったり、同時に編集できなくなったりすることがあります。
このような問題を解決するため、脱エクセルが注目されています。
脱エクセルが必要な理由
エクセルはさまざまな用途で利用ができ、仕事をする上で必須のツールとして多くの方が活用しています。
しかし、エクセルで効率よく仕事をする為には専門の知識が必要であり、対応できる人が限られているのが現状です。
専門的な知識のない方が作り込まれたエクセルを引き継いで業務を行うのは効率的ではありません。
また、膨大な容量のエクセルだと管理も難しく、リアルタイム共有ができないなどのデメリットもあります。
そのため「脱エクセル」を行ない、業務の効率化を図ることが必要とされています。
脱エクセルのメリット
Googleスプレッドシートとエクセルを比較し、脱エクセルを行った際、どのような違いがあるのかをご紹介していきます。
Googleスプレッドシートはエクセルとほぼ同程度の機能を備えたクラウド型のツールで、Googleアカウントを所持していると無料で使用ができるのが特長です。
Googleスプレッドシートを利用すると、下記のようなメリットがあります。
- 最新の情報がリアルタイムで共有できる
- データの破損や紛失のリスクを防げる
具体的にどのような機能が備わっているのか見ていきましょう。
最新の情報がリアルタイムで共有できる
Googleスプレッドシートは、URLを共有するだけで誰でも閲覧できます。
設定で共有したい方を限定し、最新情報をリアルタイムで共有できるのが特長です。
閲覧中に更新されてもリアルタイムで反映されるのがポイントで、データを共有しながら業務を進めることができます。
「共有がかかっているかどうか」「今は誰が閲覧しているのか」などを気にする必要はありません。
複数人でリアルタイム編集ができるので、エクセルのようにタイムラグがないのが大きなメリットです。
データの破損や紛失のリスクを防げる
Googleスプレッドシートは、入力した文字を自動で保存する機能が備わっています。
突然PCがシャットダウンするなどのトラブルがあっても、直近までの作業が保存されているのでデータ紛失のリスクが格段に下がります。
さらに、Googleスプレッドシートはクラウド上に保存されるので、「格納したフォルダがわからなくなった」などの問題も起こりません。
Googleドライブに格納されますので、毎回格納場所の連絡をせずにファイルを共有することもできます。
脱エクセルで活躍するツール
脱エクセルのメリットについて、Googleスプレッドシートを例にしてご紹介してきました。
作業内容によって活躍するツールを使い分ける必要がありますが、基本的にはGoogleスプレッドシートで事足ります。
しかし、一つの作業に特化した使い方であれば、Googleスプレッドシート以外のツールを利用すると良いでしょう。
ここからは、Googleスプレッドシートを含めて、どのツールがどんな業務に適しているかをご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートはインターネット環境とGoogleアカウントがあれば無料で導入できます。
エクセルと同様に関数も問題なく使えますので、在庫管理や帳簿など計算が必要な作業に適しています。
また、クラウド型のツールなので、更新をするとリアルタイムで自動的に保存されるのが魅力です。
さらに、自動保存なので作業中にエラーでパソコンが落ちてもデータが消えてしまうことはありません。
簡単なデータ集計やマニュアル作成などであれば、Googleスプレッドシートがおすすめです。
Webデータベース
Webデータベースは、クラウド上にデータベースを作成し、検索や更新などさまざまな管理ができるツールです。
顧客管理などで使用されるケースが多くWeb上でデータの管理ができるので、社内共有しやすいメリットがあります。
エクセルだと容量が多くなるにつれて開くまでに時間がかかりますが、Webデータベースであれば心配ありません。
また、カレンダー機能を搭載しているものであれば、タスクの管理ができますので、専門知識が無くても利用できるのが魅力です。
基本的には、顧客情報のデータ管理などに特化したツールではありますが、プロジェクトの進行管理や対応履歴を残すなど、幅広く活用できます。
その他には、膨大な量のデータでも容量に合わせて構築することで、重くならずにサクサクと作業ができるのもポイントです。
特に大容量のデータを管理したい場合は、Webデータベースへの移行がおすすめです。
BIツール
BIツールはデータの分析に特化した「ビジネスインテリジェンス」ツールです。
顧客データや帳簿など、社内で利用しているさまざまなデータを紐付けさせることができます。
エクセルは複数のファイルを紐付けて管理したり、分析したりする場合には向いていません。
ですが、BIツールは登録されているデータを分析して現状を可視化することに特化しています。
分析結果を可視化し、問題解決の為にわかりやすく見やすい表で管理できるのもポイントです。
予算管理や顧客管理などの機能が搭載しているものもあるので、営業職の方にぴったりです。
プログラミングなどの技術も不要で、データ入力のみで利用できるものもあります。
さらに、社内で管理しているデータすべてを関連付けできるので、複数の部署がある会社でも利用しやすいのが魅力です。
社内データを一括で管理したい方や、顧客データや売上などの分析をしたい方におすすめできます。
各種業務に最適化されたツール
脱エクセルをする際に大切なのは、帳簿・販売管理・在庫管理など、エクセルを使っていた領域に応じて最適なツールを使うことです。
WebデータベースやBIツールは、専門的な知識が無くても扱えるように制作されていることが多いので社内全体での導入に最適でしょう。
しかし、ツール選定を間違えるとかえって管理が煩雑になったり、費用対効果が出ない場合があります。
現在、エクセルで管理しているデータが、どのようなツールで代用できるのか不安な場合は専門家に依頼をすると安心です。
脱エクセルはアウトソースできる
今回ご紹介した「脱エクセル」をすることで、以下のようなメリットを期待できます。
- リアルタイムでデータの共有ができる
- 自動保存に対応しているので破損の心配が少ない
- 格納場所がすべて同じなので紛失のリスクがない
- 業務内容に応じたツールを使うことで作業効率が上がる
- 容量を気にせずにサクサクと作業ができる
Googleスプレッドシートは、マクロの使用も可能でエクセルと同程度の機能を備えていますが、使い方など多少の違いがあります。
そのため、思った通りに移行ができない場合がありますので、迅速に移行したいときはアウトソーシングを活用して専門家に依頼をすると安心です。
また、WebデータベースやBIツールを使い、自社独自の機能を盛り込んで制作したい方は、
システムのカスタマイズにも対応してくれるアウトソーシング先を選ぶと良いでしょう。
まとめ
こだまシステムでは、脱エクセルの代行も承っており、システムエンジニアが直接お悩みをお伺いし、それぞれのIT環境や業務内容に合わせて最適な解決法をご提案しています。
スプレッドシートやWebデータベースなどのツールへの移行のサポートから、移行後に発生したトラブルまで一貫して対応いたします。
ハードウェアの問題や社内のサーバ環境に関するお悩みにもお応えできますので、ぜひお問い合わせください。