IT部門で悩みの種として多くあげられるのは、コスト問題です。
業務効率を上げるための支出は仕方がありませんが、不要なコストがかかっていると、会社にとって効率的ではありません。
例えば、単純作業ばかりで生産性が低い部門だと、人件費のコストが問題になりやすいため、業務フローの見直しが必要になります。
しかし、コストを削減しようと検討しても、どのように改善すればいいのか悩んでしまうかと思います。
本記事では、IT部門のコスト削減のために押さえておくと安心なポイントをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
情シス部門を悩ませる「コスト問題」
近年では、デジタル化が推奨されており、新システム導入のために大幅なコストをかけている企業が増えてきました。
また、情シス部門の悩みとしてよく挙げられるのが、社内ヘルプデスクなどを兼任することによる業務負担と人手不足です。
少人数で対応することは一見するとコストがかかっていないように思えますが、業務過多に陥ると全体の業務の生産性が低下し、残業が増えることで結果的にコストが増え、ミスも発生しやすくなります。
情シス部門は少人数で対応している企業が多いことから、このような状況になりやすく、コスト部門とまで言われてしまうことがあります。
しかし、情シス部門は組織の活性化や、作業効率を上げるためにとても重要な業務を行っています。
コストがふくらむ要因とは?
なぜ情シス部門やITシステムのコストは増大しているのでしょうか。
企業によって要因は異なりますが、主に以下のような例が挙げられます。
- 採算性の低いレガシーシステムを使い続けている
- セキュリティ対策として求められる内容が増えている
- 社会全体でIT人材が不足しており、人材確保にコストがかかる
- 業務の負荷が増大しており、残業のコストや離職に伴う採用コストがかかる
このような状況の場合は、生産性の低下によってコストがふくらみがちです。
しかし、そんな場合においても、すぐにコスト削減を実現させることは可能です。
コストを削減する方法について、次章で詳しく見ていきましょう。
コスト削減のために検討すべきポイント
新たなシステムを導入するためには、どうしてもコストがかかってしまいますが、生産性を向上させるためには必要なことです。
しかし、導入や運営方法によっては不要なコストにもつながってしまうため、見極めが必要です。
コスト管理を徹底して、どのシステムや業務にどれだけの費用がかかっているのかを明確にすることで、不要なコストが見えてきます。
さらに、ローカルで管理している事務処理はクラウド上で管理し、いつでも自由に編集が行えるようにすることで、毎日の作業が手軽になります。
ここからは、コスト削減のために重要なポイントをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
情シス・IT部門のコストを可視化する
コスト削減を行うにあたって、まずは現状の情シス・IT部門のコストを可視化することが重要です。
本当にかけるべきコストなのであれば、無理に削減する必要はありませんし、必要ない項目にコストをかけているならば削減の必要があります。
また、必要性は高いものの、過剰にコストをかけているケースもあります。
効率が悪い部分は削減を行い、適正範囲内に抑えなければなりません。
これらの判断を下すためにも、まずは今かかっているコストを可視化し、その後の改革に役立てましょう。
コストを可視化させる方法としては、ITツールなどの場合は月間、または年間で発生している費用を算出するだけですので、さほど難しくはないかと思います。
一方、人件費のコストを可視化させる場合は、仕事内容と月間の対応件数、1件の対応にかかる時間を明確にさせることで、どれぐらいのコストがかかっているのかを明確にすることができます。
クラウドへの移行
自社で使用しているシステムをクラウドへ移行することで、コストの削減につながる場合があります。
例えば、社内でExcelを使用して勤怠管理をしている場合、全員分を確認するのは時間がかかってしまい効率的ではありません。
そこで、勤怠管理をクラウド化し、全員の勤怠管理を一括で確認できるようにします。
そうすることで、毎回開きなおす必要もなく、システムによっては複数人で同時に操作することもできるのが魅力です。
しかし、組織のシステム全てをクラウド化するのは、あまりおすすめできません。
クラウドへ移行した後の運用コストがどれだけかかるのか把握していないと導入前より大幅に費用がかかってしまうからです。
イニシャルコストだけではなく、ランニングコストも意識したうえで、本当に必要なのか見極めが必要です。
社内ヘルプデスク状態からの解放
情シス部門は、社内ヘルプデスク化しやすく、生産性を向上させるために必要な業務が滞ってしまいやすい傾向にあります。
例えば、新しいシステムを導入し始めた当初は、問い合わせが大幅に増えるので人員が必要です。
そのため、情シスが社内ヘルプデスク化してしまい、大きく人件費がかかってしまい、生産的ではありません。
対策としては、マニュアルを詳細に作り直すことで、問い合わせ件数を減らすなどがあり、コスト削減につなげることができます。
そのため、マニュアルを整備し、導入前の運用に関する教育を充実させることで、問い合わせ数を減らすよう努めていくことが重要です。
システムの統合・見直し
使っているシステムが多すぎると、余計な業務が増大し、大きくコストがかかってしまいます。
利用しているシステムを見直し、古く不便なものは新しいものへと転換したり、統合できるものは1つにまとめたりと、現状にあった構成にすることでコスト削減につながります。
そうすることで、運用や管理にかかるコストが削減できるほか、PCだけでなくモバイル端末にも対応できるようになるなど、活用の幅が広がる場合もあるでしょう。
単純作業の自動化
簡単な入力作業であれば、マクロを使用することで格段に効率化できます。
そのため、総務部など人手を必要とする事務作業は、自動化させるのがおすすめです。
近年では、事務処理などを自動化できるソフトウェアロボットのRPAが注目されています。
しかし、RPAは導入費用がかかり、完全に仕様を覚えるまでに多くの日数を必要とします。
単純作業の自動化は、マクロで解決できることも多いため、本当に高い費用をかけてRPAを導入する必要があるのかを考えることが重要です。
もし、どのようなツールで最適に自動化できるのかお悩みなら、マクロやITツールに詳しい会社に相談することをおすすめします。
自動化させたい作業に応じた解決策を提案し、さらにマクロの作成まで依頼をすることも可能です。
ノンコア業務のアウトソーシング
人手不足や対応品質の課題を抱えている場合は、アウトソーシングを検討してはいかがでしょうか。
アウトソーシングを活用すれば、新システムの導入やメンテナンス、トラブル対応など、さまざまなIT業務を依頼することができます。
社内の人員を増やすことなく対応できる業務が増やせるので、採用費や人件費などのコスト削減につながるだけでなく、対応品質や業務効率の向上も期待できます。
また、アウトソーシングのもう一つのメリットは、システム化しにくい業務も依頼できるところです。
例えば、利用する機器のトラブル対応、システム運用についてのマニュアル作成など、生産性はないものの業務遂行に必要な作業は、アウトソーシングを利用することで効率化を図れます。
この他にも、PCのキッティングやセキュリティ対策の資産管理など、ノンコア業務に幅広く対応しています。
外部の人材を活用することでコスト削減できるだけでなく、自社の人材はコア業務に専念できるため、情シス部門の生産性を高めることができるでしょう。
コスト削減に向けたコンサルティングの活用も
会社全体のコスト削減を行うのであれば、ITコンサルティングの利用がおすすめです。
コスト削減は、一朝一夕ではできないので、長期的な目標を立てていく必要があります。
システムの導入にしても、最初は人手が必要で、初月に大幅にコスト削減することが難しいのが現状です。
さらに、コスト削減のために必要な対応を、調査しなくてはいけません。
そこで、ITコンサルティングを利用して、組織で不要なコストを洗い出し、長期的な計画を立てていきます。
最終的なゴールに向けて、目標を立てることで、本当に不要なコストが見えてくるので、コンサルティングの活用は効果的です。
まとめ
IT部門のコスト削減は、システムの導入などで対応できますが、全てをクラウド化してしまうと余計に費用がかかってしまいます。
そのため、本当に必要なコストを明確にし、不要なシステムは1つにまとめてしまうなど、見極めていくことが重要です。
こだまシステムでは、IT部門のコスト削減のために、社内ヘルプデスクや事務作業の代行を請け負っています。
さらに、システムのクラウド化などのサポートも対応できるのが強みです。
また、専門のエンジニアが直接お悩みをお伺いし、必要な環境を構築しています。
ITコンサルティングも請け負っていますので、お気軽にお問い合わせください。