情シス業務が属人化した場合、生産性の低下・社員の離職率の増加といったリスクの発生に気をつけなくてはいけません。
業務を担当していた社員が、異動・退職してしまうと、後任の担当が業務内容を把握しきれずに、作業が滞ってしまいます。
業務が思うように進まないと、残業・休日出勤が増えるなど、社員の負担が増加してしまうので注意が必要です。
また、情シスは社内ヘルプデスク・環境整備・セキュリティ管理と、さまざまな業務をこなしていますので、業務改善が進まないと生産性の低下・社員の負担増加の要因につながります。
本記事では、属人化に潜む大きなリスクをご紹介しつつ、効果的な改善策をご紹介していきますので、ぜひご参考ください。
情シスの業務は属人化しがち?
情シスは、生産性がない・コスト部門と言われやすく、人員を割り当ててもらえないことがしばしあります。
そのため、社内ヘルプデスク・環境整備・セキュリティ対策・資産管理といった多岐にわたる業務を、少数で回しているのが現状です。
これまで担当していた社員しか業務を知らないなんてことも多くあり、他の社員が代わりを務めようとしてもうまくいきません。
マニュアルが十分に整備されていない場合、トラブル発生時に速やかな解決ができないため、大幅な時間ロスが起こってしまいます。
また、マニュアルがあったとしても、すべてのトラブルがスムーズに解決できるものではありません。
経験則から解決できることもあるため、知識を持った社員が1人で解決してしまうと、気づかぬうちに業務が属人化されていきます。
情シスの属人化に潜むリスクとは
情シスの業務が属人化してしまうと、担当社員の異動や退職後に発生したトラブルをスムーズに解決できないといったリスクがでてきます。
たとえ口頭で説明を受けたとしても、運用しているシステムの扱い方など細かい点までは聞くことができません。
引き継ぎをしてもらい詳細を聞いたとしても、退職後に疑問点がでてくると、最悪の場合は問題解決できない可能性があります。
また、専門的な知識を持たない人が担当になると、業務フロー・システムの改善点が見つかりにくいといった点も気をつけたいところです。
異動・退職のリスク
業務の担当者が、異動・退職してしまうと、その後の業務に支障やトラブルが起こりやすくなります。
社内ヘルプデスクの場合、操作確認だけでなくシステムのトラブル対応も行うので、業務内容を知らないと解決が困難です。
問題解決がスムーズに行かないと、携わっている全社員の業務が滞ってしまうので、大きな損失になることも考えられます。
また、異動・退職の際に引き継ぎをしたとしても、実際に運営していくとマニュアル化が進んでいないこともあります。
優秀な社員こそ、「これはできて当たり前」と考えてしまい、一部を飛ばしてしまうこともありますので、注意が必要です。
そのため、1人の社員に任せるのではなく、複数の社員で業務を共有しておくが重要になります。
業務の改善が進まない
業務が属人化してしまうと、システムの良し悪しが表に出ないため、業務改善が効率よくできません。
情シスの業務効率が悪いのかを他者が確認できないと、正確な評価ができないといった問題にもつながります。
また、業務内容を正確に評価することは、情シス業務の品質を保つことにもつながります。
情シス部門は社員が効率よく働けるようなシステムの整備を行っているため、組織全体での業務改善も進まなくなります。
そのため、定期的に業務の棚卸しを行い、業務が属人化しないよう細心の注意を払うことが大切です。
情シスの属人化状態を改善する意義とは
情シスの属人化状態を改善すると、担当社員の負担軽減ができるため、退職のリスク回避が期待できます。
組織全体での生産性向上にもつながるため、属人化が解消できれば、会社としてとても有用です。
ノウハウが蓄積すると、属人化を改善し、業務内容を情シス社員全員に共有できるので、業務改善にもつながります。
また、情シス業務は業務過多に陥りやすいので社員が思うように休暇を取れないといった問題もあります。
属人化を改善することで、残業を減らし有給消化も積極的にできるので、社員のパフォーマンス向上のためにも早々に改善することが重要です。
ノウハウの蓄積
複数人で業務を進めることで、さまざまな知識を残すことができるので、今後情シスに入社する社員に速やかにナレッジを共有できます。
担当社員が変わると、どうしても慣れるまでに時間がかかってしまいます。
ノウハウが蓄積されていると、どうすれば効率的に業務ができるのかといった知識も残るので、後任への引き継ぎにも苦労しません。
情シスは、専門的な知識を持った方が担当することが多くありますが、新入社員や現在勉強中の社員も携わるかと思います。
ノウハウを蓄積していると、後任を育てる際にも大いに役立つので、属人化している業務は早々に解消しておきましょう。
業務への柔軟な対応が可能
引き継ぎが上手くいっていないと、イレギュラー時に対応方法がわからないといった問題が発生しますが、ノウハウが残っていれば柔軟な対応が可能です。
1人の社員が休んだとしても、他の社員が対応できるので、滞りなく業務を進められます。
さらに、柔軟な対応ができる環境であれば、トラブルを起こすことなく業務の品質を保てます。
人手不足で、有給が十分に取れないといった問題も解決できるので、社員の負担を軽減するためには属人化状態の改善が重要です。
業務改善につながる
複数人で業務を進めると、業務の進め方やシステムの悪い点が露出するため、業務改善にも効果的です。
業務やシステムの悪い点をそのままにしていると、品質の低下・残業が増えるといったデメリットがでてきます。
業務が非効率的だと、業務過多で社員の生産性が低下してしまい、最悪の場合はストレスで離職につながることも考えられます。
情シスは組織をいかにうまく効率化するかといった経営戦略にも携わる部署なので、属人化させてしてしまうのは非常にもったいないです。
組織の品質・生産性向上に情シスは必要不可欠なので、社員の負担を軽減して業務ができるように複数人で環境整備を行いましょう。
情シスの属人化を排除する方法とは?
情シスの属人化を排除するためには、業務の棚卸し・アウトソーシングの導入が効果的です。
闇雲に人材を補充するのではなく、なぜ業務が属人化しているのか棚卸し行い、調査する必要があります。
誰がどの業務を行っているのか可視化することで、属人化している業務を明確にできるので対策を取りやすくなります。
そして、棚卸しの結果、人手不足で属人化が起こっているのであれば、ITアウトソーシングの導入を検討してみてください。
ITアウトソーシングは、専門的な知識を持った外注にヘルプデスクを依頼できるので、少数人で高い効果を得られます。
属人化を排除するためには、まずはどの業務が属人化しているのか棚卸しを行い、原因が人手不足によるものなのか調査を行いましょう。
業務の棚卸し
業務の棚卸しを行い、どのような業務を情シス業務で請け負っていて、誰が担当しているのかを明確に洗い出しましょう。
まずは使っているシステムと、どのような業務をどのような進め方で行っているのかを記載します。
携わっている担当者も全員書き出しておくと、いつもの担当者が休みの際には、棚卸し表をもとに代わりの人材をあてがえます。
次に、どの仕事が1日にどれくらいの量と時間を取っているのかもチェックしておきましょう。
また、使用しているシステムや業務にどの程度のコストがかかっているのかも確認してください。
棚卸しを月1回など、定期的に行うことで無駄な時間がかかっている作業や、どの仕事が人手不足なのか明確になります。
以下の内容をもとに、棚卸し表を作成すると必要な情報を可視化しやすくなりますので、参考にしてみてください。
・業務内容
・月間/1日の発生件数
・1件の対応にかかる時間
・業務を行うのに毎月かかっているコスト
ITアウトソーシングの導入
業務の棚卸しを行うと、どの業務が人手不足のために属人化してしまっているのかが明確になります。
情シス業務は多岐にわたるので、すぐにでも人材を確保したいのであれば、ITアウトソーシングの導入がおすすめです。
専門的な知識を持った優秀なスタッフを派遣してもらえるので、比較的早い段階で安定した運用が行えます。
さらに、豊富な知識を持ったITアウトソーサーであれば、業務を効率化してくれる場合もあります。
業務の属人化を止めるだけでなく、より良く業務を進められるので、ITアウトソーシングは生産性向上にも効果的です。
また、社内で1人雇うにしても、募集から採用まで多くの時間と費用がかかってしまうので、効率的ではありません。
ITアウトソーシングであれば、短期での利用も可能なので、低コストで人材を確保できる点も魅力です。
まとめ
情シス業務の属人化が起こってしまうと、ノウハウが蓄積せずに担当が不在だと業務ができないといった問題が起こります。
さらに、業務の内容がブラックボックス化してしまい、業務改善が進まないといったリスクも伴います。
そこで、業務の棚卸しを行い業務内容を明確にすることで、どのような改善策を練ればいいか明確になるのでおすすめです。
また、人手不足であればITアウトソーシングに依頼を行うと、最短1カ月以内には低コストでスタッフを雇えます。
こだまシステムでは、社内ヘルプデスク・PCキッティング・資産管理といった情シス業務の代行を承っております。
元SEの社員もおりますので、業務の効率化を進めたいといった内容にお応えすることも可能です。
初回無料のご相談も行っておりますので、情シス業務の属人化にお悩みの方は、ぜひご相談ください。