中小企業では、IT担当者が少なく、さらに他の業務と兼務しているケースも少なくありません。
兼務は担当者の負担が増え、退職などの原因になることもあります。
しかし、多くの企業で「具体的な対応策」が分からず、放置されているのが現状です。
今回は企業のIT担当者が兼務している際の問題点や、リスク・解決策について解説します。
企業のIT担当に求められる役割
インターネットによる情報ツールや管理システム、顧客管理・販売管理・在庫管理など、今やITは企業にとってなくてはならない存在です。
そして、企業にとってITが必要不可欠となった今、重要視されているのがIT担当者の存在。
IT担当者は企業を支えるシステムの企画・立案や業務分析を行うことで、業務改善のプロセスの改善を行うのが主な役目です。
また、社内システムの保守や運用、時にはトラブル対応やクレーム対応もしなければなりません。
IT担当に求められる役割は本当に多いのです。
特に最近では、コア業務とIT業務を兼務してこなす社員が増えており、様々な問題が発生しています。
本業と兼務でIT担当業務をこなす社員が増加中
2018年3月にKDDIまとめてオフィス株式会社がまとめた『IT成熟度診断アンケート』によると中小企業では約80%のIT担当者が兼務でることがわかっています。
大企業の1/4の企業では担当者5名以上の情報システム部門が存在しています。
さらに2名以上の複数体制なら8割以上の大企業が当てはまる計算です。
上記を見てみても、「中小企業であるほど社内にIT担当者がそもそも少なく、ほとんどが兼務で作業をしている」実態が見えてきます。
引用元URL https://www.kddi.com/business/column/d0211/it_cost/
IT担当が兼務をこなしている要因とは
なぜほとんどのIT担当者が、コア業務があるにも関わらず、IT担当を兼務しなければならないのでしょうか。
主な原因は、「人手不足」と「企業の認識不足」の2つがあります。
それぞれの要因について、詳しく解説いたします。
人手不足
大きな要因としては、「人手不足」と「企業全体の認識不足」が挙げられます。
2019年1月の時点で有効求人倍率は1.63と比較的高い水準をキープしていました。しかし求人倍率が高いほど、人材を確保したい企業は競争が激しくなります。
求職者としてもよい条件を求めて、大手企業を希望する人も少なくありません。
そのため、中小企業は人手不足に陥ってしまうのです。
十分な人材がいない、しかしIT管理は誰かがやらなければない。
このような悪循環となってしまい、やむを得ず兼務させている現状があります。
企業の認識不足
『IT成熟度診断アンケート』によると4分の1の企業が人手不足に悩んでいながらも、「特に取り組みはしていない」と回答しています。
また、対策をしない理由として、『知識・情報の不足』『人的リソースの不足』『コスト不足』が上がっており、企業が人手や知識の不足を理由に特に対策をとっていません。
ITシステムは複雑で、専門知識が必要な分野です。
そのため、管理者側からは実際の現場の状況が把握しにくく、対策の取りようがない、というのが考えられます。
その結果、「ちょっとパソコンに詳しい人に任せよう」となり、「ついでにお願いします」と兼務させているケースも少なくありません。
IT担当者が兼務による負担を強いられている背景には、企業の人手不足や認識不足で起こっていることが多くあります。
人材不足であるからこそ、効率化を考えるべきところを、人材や知識不足によって効率化が進まない事態になっているのです。
IT担当者が本業と兼務している場合のリスク
別の業務をしながらIT担当を任されている社員は少なくありません。
企業としては、新たにIT担当を雇う必要はないため、一見すればコスト的にも問題ないように感じます。
しかし、IT担当者が他の業務を兼務することは、大きなリスクを伴います。
ここでは、そのリスクについて見ていきましょう。
本業とIT担当業務のバランスがとれない
やるべき作業が多くなるほど、負担が増えパフォーマンスが下がってしまう可能性があります。
IT担当者が、本来の業務と兼任していた場合、仕事のバランスがうまくとれなくなる恐れがあります。
また、本業が忙しいと、IT業務が疎かになります。
本来メインであるはずの本業に支障をきたすことは、会社全体の利益にも影響がでるかもしれません。
サポート対応が疎かになりがち
IT担当者は社内のシステムトラブルが発生した際、直ちに対処するスキルが求められます。しかし、本業が忙しいとついつい後回しになることがあります。
また、IT担当者が退職した・病気で長期に渡り休むことになった場合に、誰も代わりを務めることができません。
そのため、対応が疎かになりがちです。
IT担当者が十分に動けない環境は、社内の流れも悪くします。
IT担当者が業務に専念できる環境を、企業で考える必要があるでしょう。
IT担当スキルを伸ばすことが難しい
企業によっては、IT担当者は日常的にトラブルやクレームの対応ばかりになっている可能性があります。
問題やトラブルばかりで一日が終わるようでは、IT担当者も疲弊してしまう上、スキルを伸ばすことができません。
せっかくの人材でも、これでは宝の持ち腐れです。
管理側としては、細かい業務内容までは把握しにくかと思いますが、悩みを相談しやすいようにするだけでも、IT担当者のモチベーションは変わります。
IT担当者がやりがいをもって働ける職場環境を整えるべきでしょう。
シャドーITの増加
IT担当者が他業務と兼務している場合、IT関連の業務が常に人手不足の状態に陥る恐れがあります。このことが原因で、各部門に対するIT関連の対応に遅れが生じてしまうことがあります。
すると各部門で、IT担当者を通さずにIT関連の業務を進めてしまう、いわゆる「シャドーIT」が増えてしまう危険性があります。
シャドーITはセキュリティ面やIT資産管理面などのリスクが大きい行為であり、最悪の場合、企業の信用問題に関わる事故を引き起こしかねません。
それでも専任のIT担当を設けることが難しいなら
本来であれば、スキルのあるIT技術者を雇用し、システム運営・管理に専念させるのがベストです。
しかし、社員を雇うにはコストもかかります。
そのため、IT担当者の業務をアウトソースしてみるのはどうでしょうか。
ここからは、アウトソーシングのメリットをご紹介します。
IT担当者の一部業務をアウトソース化
企業の規模が小さい内は、兼務でどうにか仕事は回っていくかもしれません。
しかし、実際にはほとんどの企業で、IT担当者の負担が増加しています。
担当者の負担を減らすためにも、IT担当者の一部業務をアウトソース化することも視野に入れてみましょう。
IT担当者の業務の中には、専門的な知識がなくてもできるもの・マニュアルがあれば対応できる業務もあるはずです。
これらの一部業務をアウトソースするだけでも、IT担当者の負担を減らすことができます。
アウトソースすべき業務を明確にして効率化
アウトソースを考えるにあたり、「社内でやることとやらないことを明確に分ける」作業は非常に重要です。
例えば、基本的な問い合わせ対応やクレームであれば、ほとんどがIT担当者でなくても対応可能です。
また、システム管理・運用・トラブル対応などもIT担当者の業務から切り離すことができます。
IT担当者の負担となっている業務を、「日々の業務から切り離し解放する。
それによってコア業務に専念できる状態にする」ことが大切です。
本業と兼務するIT担当者の負荷軽減なら
こだまシステムでは、IT担当者の負担を減らし、生産性を向上させるためのITサポートサービスを提供しています。
企業が対応しきれないIT関連の業務や、IT担当者の一部業務を代行し、貴社の働きやすい環境づくりをお手伝いします。
例えば、以下のような悩みはありませんか?
IT担当者が問い合わせやクレーム業務に追われ、本来のコア業務に専念できない
→こだまシステムが貴社宛に入る問い合わせ対応を代行。担当者の負担を減らします。
過去には月に500件の問い合わせに対応した実績があり、万全の管理体制で問い合わせ内容を共有いたします。
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スタッフは元・SEやITサポート経験者などベテランばかり。
窓口に専門家が待機しているので、トラブルがあってもすぐに対応でき、必要に応じて現場に駆けつけます。
そもそもIT担当者がおらず、どうしたらいいかわからない
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その上で、改善策を提案させていただくことも可能です。
状況確認や見積もりは完全無料で行っています。
「何から始めればいいのか分からない」「知識がない」という場合でも、それぞれのお客様に寄り添い、質の高いITサポートを提供いたします。
まとめ
IT担当者が本業と兼務している場合、本人の負担だけでなくコア業務に支障をきたし、やがては企業の売上にも影響するかもしれません。
アウトソースに取り組む始めの一歩は、「社内でやらない仕事を決める」ことにあります。社内のIT担当者が困っている点に耳を傾けることで、課題が浮き彫りになることもあり、アウトソースを視野に入れることで、解決策が見えてきます。