ITアウトソーシング導入に当たり最も重要なのは「目的の明確化」です。
なんとなく導入してしまったのでは、効果が期待できないばかりか、コストや時間を無駄にしてしまうかも。
今回は、ITアウトソーシングで目的を明確にするための「考え方」から具体的な方法、アウトソーサーの選び方を解説します。
ITアウトソーシング導入によって課題を克服した事例も挙げているので参考にしてください。
ITアウトソーシングを行うなら目的を明確に
「とりあえず社内業務が内部で処理しきれないから、外注化して負担を減らそう」。
そう考える企業は多いですが、それではITアウトソーシングのメリットを十分に活かしきれません。
外注業者に丸投げして終わりではなく、将来の利益に繋げてこそ、ITアウトソーシングはその本領を発揮します。
ここではTIアウトソーシング導入にあたり、明確にしておきたい目的を考えてみましょう。
目的=解決すべき課題は何か
ITアウトソーシングは、企業のあらゆる課題を解決する可能性を秘めています。うまく使いこなすことで、自社社員をコア業務に集中させ、問題が起こった時も専門業者に対応を任せられるのです。
そのため現在会社に起こっている問題を明確にし、解決すべき課題を見つけるのがよいでしょう。
今必要としている課題にぴったりの外注業者を見つけることが、ITアウトソーシングを使いこなすためのコツです。
ITアウトソーシングを検討すべき「課題」とは?
会社の課題といっても、すぐには思い浮かばないかもしれませんね。
ここでは実際に企業に起こった課題をITアウトソーシングによって解決した例を挙げていきます。
自社の状態に照らし合わせながら、イメージしてみてください。
例①「問い合わせ内容がクレームに近く、ストレスに悩んだシステム担当者が退職を考えていた」
問い合わせ対応をアウトソーシングすることで、担当者の負担を軽減。士気も向上し、離職を未然に防ぐことができた。
システムの専門知識を持った社員が、社内に1人~2人程度しかいない会社も少なくありません。業務が集中した結果、担当者が退職に悩む事態に。
問い合わせやクレーム対応をアウトソーシングすることで、担当者をストレスから解放。
コア業務に集中できるようになり、貴重な人材を失わずに済みました。
例②「IT部門への問い合わせを行っても、担当者不在などで対応が遅く、問題解決に数日かかってしまう」
問い合わせ部門をアウトソースすることで、窓口には常に専門家が待機。迅速なレスポンスで対応スピードも5分の1程度にまで短縮できた。
IT部門を数少ない人数で回している場合、担当者の離席や休みで対応が遅れてしまいます。社内の業務に影響が出るだけでなく、回りまわって顧客離れに繋がるかもしれません。問い合わせをアウトソースすることで問い合わせから1時間以内のレスポンスが簡単になりました。
例③「社内のネットワークに不具合が起こっても、会社にはIT担当者がおらず原因が解決できずにいた」
ITアウトソーシング導入し、パケットアナライザーなどを使ってネットワークのトラブルを解析。
原因を突き止め、問題を解決。ネットワークの最適化を実現しました。
莫大な費用と時間をかけて開発・導入したシステムを使いこなせないのは、宝の持ち腐れです。
納品してもらったものの、管理がうまくいかず、業務中のトラブルに対応できないこともあるでしょう。
ITアウトソーシング導入により、システム管理は専門家へ。トラブルにいち早く対応できるようになりました。
例④「ホスティングの手間や費用を削減したい」
サーバー管理や運用を全て自社で行うには多くの時間やコスト・人手がかかります。設置費用や維持費用に悩むことも多いかもしれませんね。
そんな時に検討したアウトソーシングが「ホスティング」です。
ホスティングとはサーバーやホストの管理や運営を外部に委託することをいいます。
サーバーやストレージを外部から借りられるので、社内の維持コストを削減できるほか管理を任せてもOK。
大変なサーバー管理が、低コストで可能となります。。
例⑤「システム運用のアウトソーシングでセキュリティ対策を万全にさせたい」
サイバー攻撃を防ぐための対策は、企業にとって大きな課題であり、情報の流出は信用問題にもなりかねません。
そのリスクから企業を守るのが、「運用アウトソーシング」です。
サービスの導入や管理・運用・問い合わせを一括で委託OK。
社内ネットワークの安全性を確保しながら自社IT部門の負担を減らせます。
例⑥「新しいシステムの需要に対応できない」
自社でテレワークを導入しようと計画しているが、IT部門ではそのためにどんなシステムが必要となるかノウハウを持っておらず、どのように進めるべきかわからない。
テレワークに限らず、新しいITシステム導入の必要性が出た際に、適切なIT環境の整備をアウトソースによって実現することが可能です。
アウトソースにより経験豊富なプロのコンサルティングを受けつつ、必要なシステム導入の実務も進めてもらうことで、社内にノウハウがない事象にも対応できます。
目的が明確ではない場合のリスク
ITアウトソーシングを導入する上でリスクも知っておく必要があります。特に目的や将来像があいまいなまま導入を決めると、思わぬデメリットを感じてしまうことも。ここではITアウトソーシング導入を「なんとなく」決めてしまった場合のリスクについて解説します。
最適なITアウトソーシングプランを選択できない
目的が定まってないと、ぴったりのアウトソーシングプランを選べません。アウトソーシングを請け負う会社はたくさんあり、それぞれに強みがあります。せっかく依頼するのであれば、アウトソーサーの強みを最大限に活かしたほうがお得です。
「今一番の課題」を明確にし、解決できるアウトソーサーやアウトソーシングプランを選択しましょう。
過剰なコストの発生
アウトソーシングの目的が不明瞭な場合、とりあえず依頼ができるならと、あれもこれもアウトソース先に委託してしまい、結果的に過剰なコストを生んでしまう可能性があります。
アウトソースを行う目的を明確にすることで、どの作業を委託して、どの作業は委託しないのか、線引を明確にできるという効果があります。目的に見合った発注を実現できれば、ITアウトソーシングに要するコストの最適化に繋がります。
ITアウトソーシング先の取り組みを正しく評価できない
ITアウトソーシングを委託するにあたり、アウトソーサーの評価は正しく見極めたいところ。アウトソーシング自体が初めてである場合、どうしてもアウトソーサーのRFP(提案依頼書)に頼りがちです。アウトソーサーは自社が実現可能な提案しかしてこないため、企業は「とりあえず任せればなんでもやってもらえるそう」と錯覚しがち。
その結果、提案を正しく評価・選定するのが難しくなり、結果的に価格で絞ってしまう傾向にあります。
アウトソーサー選びに失敗しないためにも、先方のRFPを受ける前に、自社でアウトソーサーの選定基準や評価項目を定めておくとスムーズでしょう。
目的に見合ったITアウトソーシングを行うために
目的にあったITアウトソーシングを行うためには、価格だけでなく、アウトソーサーの評価項目を絞ってしまうのが効果的です。発注にあたって押さえておくべきポイントは以下の通りです。
- 信頼性(会社の評判・口コミ・実績など)
- アウトソーサーサイドのSEの質や能力
- 希望への適合性
- 業務実現性
- 将来の展望
- アウトソーサーサイドのキャパシティ
これらの評価を総合し、ポイントとなる部分やリスク・課題の回避方法まで予測できるとベストです。
まとめ
IT分野のアウトソーシシングを取り入れることで、運用コストを削減するとともに、自社社員をコア業務に専念させている企業は増えてきます。その結果、生産性に結びつき業績に繋がるのです。
効果的なITアウトソーシングの導入をするためには、まず自社の課題や目的を明確にすることが成功の鍵。「コストの削減」や「社内の負担減」だけにこだわらず、社内全体の課題に目を向けることで、新たな方法性が見えてくるかもしれませんね。
こだまシステムでは、メガバンクや政府機関に提供されたシステム構築の実績があり、ベテランSEやスタッフと連携し、お客様のシステムの保守管理をいたします。
ITスタッフにはベテランSEや元カスタマーサポートスタッフを配備。トラブル発生時は、必要に応じて現場に駆け付け対応します。IT担当者不在で対応に困っていたら、ぜひご相談ください。
また、お客様のもとに入るクレーム電話にもこだまシステムが代理対応。弊社社員のストレスを軽減し、コア業務に専念していただけます。
IT運営・管理やクレーム電話のストレスから解放し、新たなビジネスチャンスのお手伝いをさせてください。