新入社員が増えると、その分だけPCの準備やアカウントを作成する必要があります。
複数デバイスのキッティング作業を行わなければいけない場合は、それなりの知識と技術が必要であり、なおかつ新入社員が多い場合だと、1日では終わりません。
しかし、キッティング作業は外注してしまえば、IT担当者の負担を最小限に抑えられます。
今回は、キッティング作業のご紹介から、外注するメリットなどを詳しくご紹介します。
キッティング作業とは
キッティング作業とは、デバイスを仕事で使えるようにセットアップすることを言います。
「 セットアップ」とは、具体的に以下のような設定を指します。
- デバイスの初期設定
- ネットワークへの接続
- ソフトウェアのセットアップ
- ウイルスソフトのセットアップ
- 不要なデータの削除
これらの作業は、新しく社員を迎えるときに必要な準備になります。
退職した社員が使っていたデバイスをそのまま使用することもできなくはありませんが、万が一、アクセス権限の再設定を忘れてしまったり、個人アカウントのデータが残っていると重大な問題につながります。
また、元の使用者が残したデータや、初期状態の不要なアプリケーションをそのままにしておくと、ストレージの圧迫によって作業効率が悪くなります。
これらの問題を解決するために、デバイスを初期化してキッティング作業を行う必要があります。
キッティング作業の主な内容
ここからは、実際にキッティング作業を行う場合、どのようなことをするのか解説していきます。
業務効率化や環境整備のために必要な作業となりますので、何度か対応したことがある方も、改めて参考にしてみてください。
必要なデバイスのセットアップ
必要なデバイスの設定については各企業によって異なりますが、多くの場合はPCと社用携帯のセットアップが必要になるかと思います。
さらに、周辺機器の接続やプリンターへの接続なども行わなければなりません。
マウスやキーボードは接続するだけですが、プリンターの接続はドライバーをインストールする必要がありますので、手間が掛かります。
また、社用携帯の場合は電話帳の設定も行う必要があります。
初期設定やソフトウェアのインストール
PCを初期化した場合、改めて初期設定を行う必要があります。
Microsoftのアカウントでサインインし、デバイスのパスワードやプライバシーの設定を行います。
どんなに慣れた人でも、操作手順が多く読み込み時間が掛かりますので、負担のかかる作業です。
また、業務上必要なソフトウェアもインストールしなければなりません。
業務で使用しているソフトウェアを全てインストールする必要があり、Officeソフトだけではなく、Googleのツールも使用している場合は、アカウントの作成も必須になります。
ネットワークへの接続
有線で接続するのであれば、本体にケーブルを差し込めば他の設定は必要ありません。
しかし、現在主流となっている無線接続であれば、コントロールパネルなどからネットワーク接続設定を呼び出し、そこに表示されるネットワーク名が正しいか確認しなければなりません。
また、ネットワーク名だけわかってもパスワードがルーターに認証されなければネットワークへの接続はできません。
1台5分ほどの作業であったとしても、1人ですべて接続するには相当な時間がかかります。
加えてパソコンに正常にネットワークが受信されているとは限りません。
もしそうなった場合はIPアドレスの設定変更など、より手間と時間がかかる作業が必要になってます。
入社してくる全員がネットワークへの接続方法をすべて知っているわけではありませんので、マニュアルだけ渡して任せてしまうのは非常に危険です。
セキュリティソフトの設定
現在市販されているPCには、スタートアップの状態でセキュリティソフトが入っていることが多いです。
ですが、企業によって必要なセキュリティ対策は異なりますので、その内容に適したセキュリティソフトをインストールする必要があります。
また、社外に持ち出す可能性のあるデバイスの場合は、暗号化ソフトの導入も必要です。
内部のデータを自動的に暗号化するため、万が一紛失や盗難などでデバイスが第三者の手に渡った場合でも、データを守ることができます。
不要ファイルの削除
新入社員に与えるPCは、元の使用者がいた場合に限らず、不要なファイルを消去しておきましょう。
PCの作業速度に関わるストレージは、内部のデータが多いほど遅くなります。
各パソコンのメーカーによって、どのアプリを消して良いかどうかは異なります。
既に消して良いアプリを把握している場合は問題ないですが、そうでない場合は消しても問題ないか、アプリを1つずつ調べる必要があります。
なお、残存しているデータが本当に必要ないか不明なときは、外付けのHDDなどに保存しておくのもありです。
キッティングにまつわる課題点
キッティングをするにあたって、いくつかの問題点があります。
ここでは現場が抱えている課題を詳しくご紹介します。
慣れていないと効率が悪い
PCをキッティングする場合、通常は１台あたり数時間程度かかるといわれています。
特に、キッティング作業を行った経験が少ないメンバーが担当する場合は、作業手順を確認しながら進めることになるため、効率が悪く、時間がかかってしまいます。
また、キッティングは同時に複数台行わなければならないケースも多くあります。数台のキッティングだけでも業務が圧迫され、通常業務に取り組めなくなってしまいます。
しかし、キッティングは新入社員の配属までに行う必要があるなど、締切が決まっています。どうしても他の作業に比べて優先せざるを得ないのです。
このような状態が続くと、通常業務が疎かになったり、残業が伸びるなど負担がかかったり、キッティングでミスが生まれたりと、さまざまな問題に発展するリスクがあります。
設定ミスによるトラブル
初期設定を間違えると、社内ネットワークに接続できなくなったり、業務で使うシステムにログインできなくなったりするなどの影響が出ます。
このようなトラブルが発生した場合、PCの使用者とPCを設定する人で、合わせて2人分の時間を浪費していることになります。
ただの初期設定と考えるのではなく、きちんとした知識と技術、そしてチェックを怠らない姿勢が重要になります。
企業規模によっては社内で作業することが難しい
大企業であればあるほど、毎年新卒入社を何百人と採用します。
当然、PCを使う社員にはそのための準備をする必要がありますが、それだけのPCを設定するのは非常に手間の掛かる作業です。
さらに、初期設定ミスを防ぐためのチェックも含めれば、1台にかかる時間だけでも相当なものです。
数百台とまではいかなくとも、数十台のキッティングでさえ、IT担当の1人や2人では対応しきれません。
また、IT担当者が少ない中小企業の場合も、1人に掛かる負担が大きいため、社内だけで対応するのはあまり効率良くありません。
キッティング作業は外注できる？
キッティング作業を社内で全て完結させるのは、不可能ではありませんがリスクも存在します。
IT担当者にキッティング作業を任せた場合、作業中は他のことができなくなりますので、結局のところキッティングにコストをかけていることと同じになります。
その上で設定ミスが発生してしまうと、より通常業務の進捗に影響が出ます。
しかし、だからといってキッティングを怠ることはできません。
そこで頼りにしたいのが、キッティングの外注作業です。
実は大企業のみならず、中小企業もキッティング作業を外注しているところが増えてきています。
キッティング作業を外注に任せた場合、どんなことをしてくれるのかを詳しく見ていきましょう。
キッティングの外注で依頼できる内容
キッティングの外注でできることは幅広くあります。
主なサービス内容は以下の通りです。
- PCの初期設定
- ユーザーアカウントの作成
- セキュリティソフトの設定
- 業務用ソフトのインストール
- 各種デバイス設定、ネットワークへの接続設定
- IT資産管理ツールへの登録作業
基本作業はこのようになっています。
ですが依頼する業者によって、若干の違いがあります。
基本的なキッティング作業だけで終わる場合もあれば、PCの調達からしてくれる場合もあるのです。
また、中にはキッティング作業後のアフターケアをしてくれる業者もあります。
これらのサービス内容を踏まえて、どこまでの範囲を依頼するか明確にさせたうえで業者を選ぶと良いでしょう。
キッティング作業を外注するメリット
キッティングを請け負っている企業は当然、IT機器に精通した専門家ですので、素早く、正確にキッティングを行ってくれます。
そのため、キッティング作業を外注に依頼することで、結果的にコストを安く抑えられたり、予期せぬトラブルを事前に防げたりするメリットがあります。
ここでは、実際にキッティング作業を外注へ依頼した場合のメリットを詳しくご紹介します。
トラブル防止体制が整っている
外注で作業を請け負うのはプロのキッティングチームです。
些細なミスすら発生しないよう、マニュアルが存在していることが多いため、安心してキッティングを任せられます。
また、作業内容は作業終了後に渡される納品書で確認が可能です。
PC1台1台の設定内容やインストールされているソフトが一目でわかりますので、IT資産管理の手助けにもなります。
作業効率が良い
自社だけで対応した場合、対応できる人数に限りがあるため、どうしても作業効率が低下してしまいます。
しかし、専門家に任せた場合、マスターPCを作成し、複数の端末に一斉配信することで、大量の端末をわずかな時間でミスなく設定してくれます。
1台だけマスターとなるPCを設定し、バックアップを取得して同じように他のPCの設定を行う手法です。
PC以外のキッティングにも対応できる
近年はスマートフォンやタブレットなどの端末を利用する企業も増えてきました。
もちろんこれらにもキッティング作業が必要となりますが、外注で解決することができます。
特にモバイル端末は、紛失や情報漏洩の危険性がありますので、万が一の事態を想定した対策も行っておく必要があります。
あまり操作に詳しくない社員に任せてしまうと、トラブルが発生した時に大きな影響を及ぼしてしまう可能性がありますので、プロに依頼しておくと安心です。
IT担当者に負担をかけない
自社のIT担当者の貴重なリソースを使うことなく、設定を進めることができる点も外注のメリットです。
キッティングはその作業の時間だけでなく、事前の準備、そして事後のメンテナンスやトラブル解決など、さまざまな形で担当者に負荷がかかります。
かといって、キッティングは生産性が高い業務ではありません。
キッティングを外注することで、より早く、そして正確にキッティングが完了するため、自社のIT担当者の負荷を軽減でき、その他の生産性の高い業務を任せられるようになります。
まとめ
キッティングの外注にはコストが掛かりますが、それは自社で対応した場合でも同じです。
無理に自社で対応しようとすると、かえって作業時間が長くなってしまい、結果的に外注に任せたとき以上のコストが掛かってしまうことも考えられます。
また、ミスによって発生するトラブル対処の手間も考えるのであれば、外注に任せた方安心できると言えるでしょう。
こだまシステムでは、キッティング作業のITアウトソーシングについてもご相談を承っています。
システム会社でありながら、ハードウェアにも強い会社ですので、ご予算以内でPCの調達からキッティング、各拠点への配送まで対応できます。
また、万が一トラブルが発生した場合は、迅速にリモートサポートで問題を解決いたします。
キッティングでお困りの際には、ぜひお気軽にご相談ください。
