シンクライアントは、各PC端末にOS・アプリケーションなどを入れずに、サーバーで管理を行うことができます。
データをサーバーで管理できるため、効率的に監視ができるとともに、セキュリティ対策に有効です。
そのため、情シスで監視している各社員のPC内のデータを、1つひとつチェックする必要がなく、効率的に業務を進められます。
さらに、データが全てサーバー内に格納されるため、各社員からの情報漏えいの恐れも格段に減らせます。
導入することで、セキュリティ面だけでなく生産性向上にもつながるシンクライアントは、情シスの強い味方です。
本記事では、生産性向上に効果的な「シンクライアント」の活用方法とメリットについてご紹介していきます。
また、こだまシステムでは、情シス業務の代行を承っており、初回30分無料でご相談をお伺いしていますので、お気軽にご相談ください。
シンクライアントとは?
シンクライアントは、PC(ファット端末)内にアプリ・システムなどのデータを保存させずに、サーバー側で管理しています。
基本的にファット端末に、Windows・Linuxを導入すると思いますが、シンクライアントはファット端末にはシステム・アプリは入れません。
各PCにデータを保存させていないので、PCの置いてあるデスクではなく、在宅ワークや遠方で業務を行いたい際に有用です。
また、仮想デスクトップと混同されることが多々ありますが、シンクライアントの実行方式の1つが仮想デスクトップと言われています。
ここからは、シンクライアントの活用シーンと、仮想デスクトップとの違いについてご紹介します。
シンクライアントが活用されるシーン
シンクライアントは在宅勤務に有効であり、コロナ渦の影響で需要が増加傾向にあります。
各PC内のデータをサーバー内で監視しているので、セキュリティ対策として高い効果が期待できます。
PC内にデータが入っていないので、盗難・紛失による情報漏えいのリスクも大幅に削減できるのも魅力です。
さらに、ソフトウェアアップデートの更新忘れも削減できるため、全社員のPCを最新の状態に保つことができます。
そのため、長期間の在宅ワークでも安心して業務を任せられるのが大きなメリットです。
また、システム・ソフトウェアの更新をサーバー側で行うので、社員が出社しなくてもPCのアップデートに対応できます。
情シス部門だけでなく、全社員の負担を軽減しつつ安全に業務を行えるため、シンクライアントの導入は仕事の品質向上に期待できます。
仮想デスクトップとの違い
仮想デスクトップ(VDI)は、実行方式の1つのため、シンクライアント=仮想デスクトップではありません。
シンクライアントは、各PC内にOS・アプリケーションを導入せずに運用させる環境のことです。
VDIは、ファット端末側でOS・アプリケーションを使用できるようにしています。
シンクライアント環境の構築には、VDI以外にも種類があるので、用途に合わせて使い分けを行います。
シンクライアントの実行方式
シンクライアントの実行方式は、大きく分けて「ネットブート型」「画面転送型」「ゼロクライアント」に分類されます。
「ネットブート型」は、サーバー上にあるWindowsといったOSやアプリを、ファット端末とネット通信を利用して読み取ります。
インターネット環境があればどこでも使えるので、使用感も従来のPCに近いです。
ただ、サーバー側で各社員の使用するアプリを管理するため、サーバー容量が膨大になるのだけ留意しておかなくてはいけません。
「画面転送型」は、シンクライアント端末(ノート・デスクトップ)を用意して、サーバー上のデータを読み取って使用します。
サーバー上のデータを画像として読み取っているだけなので、軽い動作で利用できます。
画面転送型の種類
画面転送型は、「SBC・ブレード・仮想デスクトップ」の3方式があり、それぞれ使用感が異なっています。
SBC(サーバーベースコンピューティング型)は、1つのサーバーを複数人でシェアして利用できます。
ただ、負荷が大きくなるとサーバーダウンを起こしてしまい、業務が停止する恐れがあるので注意が必要です。
ブレード方式は、ブレードPCという小型のPCを用意し、インターネット通信を利用してサーバーに接続を行います。
各社員が1つのブレードPCを使用できるので、通信が軽いといった利点がある反面、社員分の端末費用がかかるのは欠点です。
多くの方が利用しているのが仮想デスクトップ(VDI)方式で、1つのサーバー上に複数のOSを導入できます。
各社員の環境をサーバー上に構築できるので、従来の操作性と変わらない使用感で業務できるシステムです。
シンクライアントで実現できること
シンクライアントを導入することで、情シス部門の負担軽減・社員の働きやすさ向上を実現できます。
これまでバラバラに確認していた「セキュリティ対策・資産管理・アカウント管理」を、サーバー内で一括管理できるのが魅力です。
アカウント管理を例にすると、各社員のPCで確認せず、サーバー内で一括管理できるので、情シス業務の負担軽減にもつながります。
さらに、各システムの更新もサーバー側で実行できるので、常に全PCを最新の状態にしておけるのがメリットです。
情シスの負担軽減をするとともに、各社員が定期的にPCのアップデートをしなくて済むので、コア業務だけに集中できます。
また、インターネット環境とシンクライアントに接続できる端末があればどこでも業務ができるので、効率よく仕事を進められます。
データは全てサーバー上に保管されているので、「自宅・出張先での業務の際にデータを持ってき忘れた!」といったミスを減らせます。
シンクライアントのメリット・デメリットとは
シンクライアントを導入することで、これまでバラバラだった業務をひとまとめにできるので、管理を容易にできるメリットがあります。
システムのアップデートも、各PCの管理者に依頼をせずに、情シス側で一括管理できるため、セキュリティも最新状態を保てます。
ただ、サーバー側のネットワーク状態が悪くなってしまうと、全シンクライアント端末に影響が出てしまうので注意が必要です。
さらに、全社員をシンクライアントに移行するとなると、構築方法によっては大きくコストがかかってしまいます。
そのため、シンクライアントの導入が、組織に合っているのかを、メリット・デメリットをみて判断してみてください。
シンクライアントのメリット
シンクライアントのメリットは、下記の3つがあります。
- 情シスの負担軽減
- 高いセキュリティを保てる
- 業務の効率化
PCキッティングの際に、各PCに直接システム・アプリケーションを入れずに済むので、情シス業務の負担軽減につながります。
セキュリティソフトの更新時にも、社員任せでなく情シス部門で対応できるため、常に最新状態を保てるのも利点です。
また、システム・アプリケーションの更新を、情シスが対応するので、各社員がメンテナンスせずに済みます。
シンクライアントを導入することは、情シス部門の負担軽減だけでなく、各社員の効率化にとても有効です。
端末とネット環境さえあれば、自宅・出張先問わずに業務ができるので、会社にいなくても効率よく業務を進められます。
システム更新の際にも、会社に戻る必要がないため、無駄な時間を使わずに業務の効率化につながります。
シンクライアントのデメリット
シンクライアントの導入には、多くのメリットがありますがトラブル時に全PCに影響がでてしまうので注意が必要です。
サーバー上にデータを保管し、各シンクライアント端末にデータを送信・表示させているので、サーバーが不調だと業務が滞ってしまいます。
例えば、サーバーを接続しているネット回線に不具合があり、通信できなくなった場合、業務が停止してしまうので注意しなくてはいけません。
サーバーが停止すると、全端末に影響がでるため、最悪の場合1日以上業務が停止してしまう恐れがあります。
そのため、安定性の高いネット回線を構築する・サーバーは複数用意しておく・ファット端末と併用して業務を行うなど、工夫が必要です。
また、シンクライアント端末代・サーバー代・その他構築費用がかかるので、導入・運用コストが高いといったデメリットもあります。
シンクライアントが業務に向いているのか、初期投資・運用コストがどの程度かかるのかを事前に調査しておきましょう。
まとめ
シンクライアントの導入は、情シスの負担軽減・社員の業務効率につながるので、メリットが多いといえます。
しかし、サーバー側の不調が全シンクライアント端末に影響してしまう・コストが高いといったデメリットもあります。
ただ、生産性向上にとても有効なので、業務内容・ニーズに合っているのであれば導入がおすすめです。
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